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シェアサイクル・レポート1 高チャリ(高崎まちなかコミュニティサイクル)

 

 旅先でシェアサイクルを見つけたら、その乗り心地を確かめるため、できるだけ利用してみることにしている。いくつか利用してみて、やはりこのようなシステムが広がっていくべきだという想いを抱いた。とともに普及にはいろいろな課題があることも事実だ。これまで利用したことがあるものを順次レポートしてみたい。

 

 まず、紹介するのは先日利用したばかりの高チャリ。群馬県で最大の人口を誇る高崎市において20134月より実施されている。ここの最大の特徴は登録不要で無料で使えること。中心市街地の回遊性の向上と賑わい向上を目的としており、利用時間は9時から22時。利用エリアは中心市街地に限定され、鍵がついていないので、一時駐輪はできず、ポート間の利用のみに使うのが前提だ。ポート数は16か所あり、自転車は150台。赤い水玉模様の自転車で結構目立つ。

 利用は簡単。ハンドルのところに100円硬貨を入れて借り、ポートのラックに返却すると100円硬貨が戻ってくる。気軽に利用できるためか、利用している人を結構見かけた。初めて訪れた旅行者でも使える。派手な自転車なので乗るのに躊躇するのかと思ったら、若者も結構乗っていた。

 いくつかのポートを見て回ったが、場所によって駐車スペースの大きさが違う。駅前には3か所あり、かなりのスぺ―スがある。中央図書館前にもかなりのスペースがあったが、そこに駐輪している自転車はなかった。自転車ゼロというポートもいくつかあり、特定の箇所に集中する傾向がありそうだ。夕方だったのでまちなかから駅に戻るという利用が多いのかもしれない。他都市では偏在する自転車を再配分するためのコストがかかるということだったが、ここではどう対応しているのか気になるところだ。

 あまりに簡単に利用できるため、持ち帰ってしまう人がいるのではと心配になってくるが、案の定、検索してみると、2015年の記事に「高崎市民の民度が問われる『返ってこない無料自転車』150台のうち140台が消えた」という記事をみつけた。コンビニに乗り捨てされたり、自宅に乗って帰って、通勤に使っているという。昨年12月の市への投稿でも「エリア外及び時間外の利用が未だに多々見受けられる」と指摘している。当初、利用時間を「7時から」にしていたのを通勤利用が目立つことから「9時から」に変更したが、それが守られていないということだ。実際、8時前にエリア外から駅にむかって高チャリを颯爽と乗っていく青年を見かけた。そんな利用をしていて恥ずかしくないということは、まだまだそんな利用をしている市民が多くいるということなのかもしれない。

 利用のハードルをなくし、誰もが気軽に利用できるこのシステムは理想的なシステムといえるが、性善説に頼るだけでは限界がある。市民の厳しい監視体制と連携することで、システムが生きてくるのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

利用エリアとサイクルポート
利用エリアとサイクルポート
駅前のサイクルポート(No3)
駅前のサイクルポート(No3)
図書館前のサイクルポート
図書館前のサイクルポート
利用者
利用者
利用者
利用者
(2019.4.29/石田富男)

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