視察レポート

Report

世界的な目的地 アイコンサイアム

 

 先日、タイの首都バンコクへ旅行にいってきた。その道中で訪れた複合商業施設「アイコンサイアム」について紹介したい。

 

 バンコクはショッピングモール天国であり、バンコク都心のモノレール駅周辺には個性的な巨大ショッピングモールが乱立している。その一つであるアイコンサイアムは2018年にチャオプラヤー川沿いに開業したタイ最大級の複合商業施設であり、博物館、商業施設、コンドミニアム等で構成されている。

 宿泊先の近くであったため、暇つぶしに行ってみるかと軽い気持ちで訪問したが、驚きの連続であった。まず驚いたのが、アイコンサイアムまでの主なアクセス手段のひとつが船であること。2020年に開通したモノレールでのアクセスがよく使われるが、チャオプラヤー川沿いの各ホテル宿泊者用の船や、対岸から出る有料シャトルボートでのアクセスもいまだ主流であるようだ。この時点で非日常の交通手段である船という特別感が演出される。

 対岸のホテルから船で出発し5分程で、ガラス張りに金色の屋根がギラつくど派手な外観のアイコンサイアムが近づいてくる。施設前の広場ではちょうど噴水ショーが繰り広げられており、ごった返す人々の活気に圧倒された。客は国内外、人種、老若男女問わずさまざまで、世界中の人の目的地となっているようだ。

 施設内部は吹き抜けになっており、専門店フロアは世界中の高級ブランドからH&Mのようなカジュアルブランドまで様々な客層をカバーするラインナップである。それぞれのショップデザインも全面ガラス張りであったり、生花がふんだんにあしらわれていたりなどデザイン性が高く豪華である。1階には水上マーケットや街中の屋台が再現されたフロアがあり、屋台フードや民芸品が売られており、衛生面や蒸し暑さ、スコールを気にせず、タイの文化に触れることができる。6階には天井から人工の滝が流れている。このように、地下2階地上8階のいたるところに様々な演出とラグジュアリーなデザインがこれでもかと施され、次々と押し寄せる演出とデザインの膨大さにくらくらした。

 

 帰国後調べてみると、アイコンサイアムの広さは延床面積75万㎡、総工費は約1,800億円。都心からリバーサイドへ国内外の観光客を呼び込む官民共同プロジェクトの中核施設であるそうだ。ASEAN加盟国中2位のGDPを誇るタイ。旅行中、他にも巨大商業施設や高架鉄道の建設現場を所々でみかけた。まだまだ勢いが衰えることのないタイの都市開発に注目していきたい。

 

アイコンサイアムHPhttps://www.iconsiam.com/en

 

光り輝くアイコンサイアム
光り輝くアイコンサイアム
施設内部フードエリア デザイン性の高い装飾
施設内部フードエリア デザイン性の高い装飾
人工の滝が天井から降り注ぐ
人工の滝が天井から降り注ぐ
タイ最大級のスターバックスが入っている
タイ最大級のスターバックスが入っている
(2023.10.24/青山瑠衣)

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