住まいまちづくりコラム

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ふるさと納税で首里城再建支援

 

 火災で全焼してしまった首里城の再建に向けて、ふるさと納税によるクラウドファンデングが行われている。焼失直後の11/1から来年3/31までで1億円を目標にスタート。わずか2日間で目標を達成し、今も続々と寄付が集まっている。
 ふるさと納税は返礼品の過当競争で、利用する側も返礼品目当てという者が多く、制度の趣旨が歪められてしまった感があるが、この首里城支援のプロジェクトは返礼品はない。それでも、これだけの支援が集まるのは、首里城が観光拠点として多くの人々に愛されてきたことが大きいと思うが、それに加えてふるさと納税であることから、税控除の対象となることも大きいだろう。
 資金調達手段として、近年クラウドファンデングが活用されているが、首里城支援のプロジェクトは、ふるさと納税サイトの1つ「ふるさとチョイス」がガバメントクラウドファンデングとして行っているものである。この趣旨に関しては、ふるさとチョイスを立ち上げた須永氏が連載コラムに記しており、ぜひ読んでほしいと思うが、「ふるさと納税は自治体が抱える課題などについて情報発信し、その課題について資金を募る「自治体が行うクラウドファンディングではないか!」と思った」という点は私自身の思いと同じであり、注目していた。火災の翌日にこのプロジェクトがスタートしたことは、その強い思いゆえであろう。
 返礼品目当てのふるさと納税は、関係人口とは言えないが、そのプロジェクトを支援しようという思いのあるふるさと納税は関係人口と言えるだろう。プロジェクトが実現すれば、それをみるために訪問したいと思うし、自分の支援のおかげで実現したと思うと愛着がわく。 
 首里城プロジェクトの支援は12/15現在で7億円を突破。これがどこまで伸びるのか注目していている。

 

18年前の首里城
18年前の首里城
(2019.12.18/石田富男)

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