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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第70号]2003/3/10
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 550−−□

 スペーシア・メールマガジンの第70号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆
   ・刈谷市銀座商店街周辺まちづくり、第一歩を踏み出す 
  ◆視察レポート◆
   ・日本有数の密集市街地 墨田区向島 
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 刈谷市銀座商店街周辺まちづくり、第一歩を踏み出す ○

 日本政策投資銀行の藻谷氏が各地の講演会で「極めて衰退の著しい商店街・崩壊したま
ち」として紹介し、まちづくり関係者に悪い見本として知られている刈谷市銀座商店街
で、再生にむけた本格的な取組が始まろうとしている。

 銀座地区は、三河地域の中心地区として、かつては人通りの絶えない繁華な商店街で
あった。しかし、都市構造や消費者意識が大きく変わる中、商店街は、地域住民とかけ離
れ、商店主の生活の糧を得る場としてのみの機能を重視し、「まちづくり」の視点で地域
に貢献することは少なかった。むしろ、目先の利いた商店主は、まちづくりを放棄し、郊
外に居を構え、より利潤の得られる大型店のテナントとして出店していった。商店街の魅
力の低下に伴い、地域住民の生活を支えた食品スーパー・ユニー銀座店が撤退、急速に中
心地区としての基盤を喪失していった。まちづくりのためにと市が取得したその跡地
約5,500uも、20年余りの長きにわたり、青空駐車場として暫定的利用のまま放置され
てきた。まちの崩壊に危機感を抱いた一部の商店街主達は、5年ほどの歳月をかけ、優良
建築物等整備事業を活用した店舗付中層マンションを平成11年に完成させた。自らの資
産保全・処分という色合いが強く、また地域住民との関わりもあまりなかったが、人口を
増加させ地区再生の先鞭をつける意義は大きかった。折しも、平成10年7月に中心市街
地活性化法が制定され、商工会議所を中心に「まちの再生」を図るための検討が重ねら
れ、昨年より市有地を核とした銀座地区のまちづくりの具体的検討が開始された。これま
での反省から、商店主達は、まちづくりを商店主の金儲けの手段とせず、地域に根ざし、
地域住民に必要なサービス・機能を提供することにより、豊かな「まちの環境」を創造し
ようという考えに切り替わりつつあり、地域住民にまちづくりへの参加を呼びかけてい
る。

 地域住民には長い歴史の中で培われた商店街に対する不信感が根強く、まだ、理解が得
られないばかりか一部に反発の声もあるが、地域と一体になって進めようとする商店主達
の「まちづくり」の挑戦が、今、動き始めている。 (浅野泰樹)

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 ◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−  
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○ 日本有数の密集市街地 墨田区向島 ○

 少し前に、向島のまちづくりに取り組む山本俊哉氏のご講演を聞いたのがきっかけで、
東京都墨田区向島を訪れてみた。墨田区と言えば「路地尊」が非常に有名であるが、それ
以外にも面白いものがたくさんある。
 向島は日本有数の密集市街地で、とにかく建物が所狭しと建っている。名古屋で「狭隘
道路の解消」と聞くと、「ああまた美しい町並みが壊される…」などと思ってしまうが、
ここは見るからに危険そうなので、全くそんな気持ちにならない。とにかく、建物と建物
の間がものすごく狭いところがたくさんあって(90pくらい?)、しかもその「隙間」が
「道」の扱いになっていて、「道を歩く」というよりも、「建物と建物の隙間を縫う」と
いう方がぴったりくるようなところが多い。
 街がこんな風になったのは関東大震災後に被災者が流入した結果だそうで、それまでは
隅田川沿いの風光明媚な田園地帯で、江戸時代には「花と言えば向島」と言われたそうで
ある。その名残が今でもあり、ごみごみした下町を歩いていくと、突然「向島百花園」と
いう広大な花園が出現して、びっくりさせられる。また、入り組んだ細い道を歩いて行く
と、細長く商店街が続いていたり、神社があったり、いろいろなものに出会う。こういう
ところを探検するのが好きな人はやはりいるようで、私が行った時も、巨大なレンズのつ
いたカメラを携えた一行や、夫婦連れらしき人が散策しているのに巡り会った。
 強く感じたのは、非常に東京らしい風景だと言うことである。東京都以外のところで、
まずこんな風景は見られまい。密集市街地と言えば改善を要すべきところであるが、ここ
ではその密集の様子があまりにも凄まじいので、「街の個性」に昇華していると感じた。
 もちろん、安全性の向上は必要だし、ここでもご多分に漏れず、工場の閉鎖、高齢化、
空き家の増加といった問題が山積みである。山本氏のお話によると、2000年に地元の人達
が協力して「向島博覧会」を開催したそうだ。空き地、空き家、路地などを会場に使い、
アートギャラリー、ワークショップなど50もの企画を開催したという。色々なものが、迷
路のような中に混ざり合っているこの街は、アーティスト達にとっては非常に魅力的だっ
たに違いない。博覧会後、実際に移り住んで来た人が結構いたという。また、博覧会関係
者などによって「向島学会」が設立され、向島の研究活動やまちづくり活動に継続的に取
り組んでいる。
 様々な時代を生き抜いてきた下町は、おもちゃ箱のような魅力を持つ反面、快適性、安
全性に欠け、住むところ、働くところとして敬遠されてしまう。しかし、独特の個性をう
まく生かしながら現代的に活用することができれば、新しい街が決して持ち得ない奥深さ
を持った街に生まれ変わる可能性を持っている。地元の方々の活動によって、そういった
潜在的な力が少しずつ引き出されるとよいと思う。     (伊藤彩子)

参考資料:
「元気のある下町の再生 地域力を活かした密集市街地の総合的再生のチャレンジ」
「向島学会」のホームページ
http://www.mukojima.net/

→ホームページに写真を掲載しています。
  http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/mukouzima/index.htm

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 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− mm@spacia.co.jpへ
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 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・引越ししてもう半年がすぎました。前の事務所は同じビルにあった会社が規模拡大
 のために入ったようです。こんな時期でも好調のところはやはりあるようです。

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