現在の位置:TOPスペーシアメールマガジン>416号

WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第416号]2016/6/21□  □配信数 733□


スペーシア・メールマガジンの第416号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆住まい・まちづくりコラム◆
  ・徒然随筆「愛知県における町並みと保存運動01(犬山市本町通)」
  ◆視察レポート◆
  ・安曇野まちあるき
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

☆*********************************************************************
◆住まい・まちづくりコラム◆
**********************************************************************☆
○徒然随筆「愛知県における町並みと保存運動01(犬山市本町通)」○

 国宝犬山城を控える犬山市本町通は、都市計画道路を廃止して歴史的町並みを保存
したことと、行政との協力による「まちづくり会社」の活動により、にぎわいを取り戻している。
経緯を概観すると、1980年代に地元まちづくり会が発足し、1990年代に都市計画道路
である本町通の道路拡幅を凍結して廃止に向かい、官民一体となったまちづくり運動が
推進された。2000年代に入ると地域や目的ごとに数々のまちづくり団体が結成され、町並み
保存やまちの活性化に寄与してきた。2004年に「犬山まちづくり会社(TMO)」が設立されると、
空き家活用やイベントの開催などが活発になり、現在に至っている。併せて市の都市計画や
景観整備等の制度が整備され、町並み保存に寄与している。特筆すべきは、本町通周辺
地区内にある国登録有形文化財の保存修理に補助金が交付されることで、筆者は他の
事例を知らない。
  加えて300年以上の歴史ある犬山祭は未だ健在で、ユネスコ無形文化遺産に登録申請中
である。国指定重要無形民俗文化財の犬山祭は、1635年に始まる祭礼で、現在13輌の
山車(やま)が4月初旬の祭礼日に巡行し、旧いまちなみに曳行される景観は江戸時代へ
タイムスリップした感覚と感動がある。犬山祭の山車は、山車蔵に組立てたまま保管される
わけではなく、祭の前に祭組の町民が組立てることに大きな特徴がある。愛知県の山車は
このパターンが多く、これ故にユネスコ無形文化遺産に申請される一つの理由かもしれない。
  このように町が活性化してくると次の課題が検討されるようになり、2016年に地元有志により
「城下町を次世代につなぐ会」が発足した。元市長や市職員OB、地元まちづくり会の有志
などが会合を持ち、ワークショップなどを通じて犬山市民が抱くまちづくりへの要望や課題などを
抽出し、次の世代へつないでいく目的で活動することが申し合わされた。2016年2月に第1回
ワークショップが開催されると、大勢の市民が参加議論し、期待や要望、問題点や課題などが
クローズアップされた。 犬山の町は国宝の犬山城と如庵を配し、歴史ある犬山祭を民衆の
文化と意識しつつ地域コミュニティを維持しており、関連するようにまちなみ保存を進めて
きている。他都市と同様に、歴史的建造物の保存は町家の維持管理からまちなみ保存に
進むのだが、犬山市の場合はこれに文化財と祭礼が絡み合って独自の活動が進んでいる。
しかしながら、維持管理と担い手確保の課題も顕在化しており、今後の検討課題として
とらえられている。
(田中清之)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Topic/column/tsurezure/15inuyama/

☆**********************************************************************
◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
**********************************************************************☆
○安曇野まちあるき○

 先日の社員旅行で、長野県は安曇野市、穂高駅周辺のまち歩きをする機会を得た。
安曇野市は長野県中央部に広がる松本盆地の北西部に位置し、複数の川によってできる
複合扇状地上にある。その安曇野市の中心から少し北東に位置する穂高駅周辺のまちは、
北に穂高川、東に万水川などの清流に囲まれ、北アルプスの雄大な景色やゆったりとした
田園風景を堪能できる自然豊かな場所である。また忘れてはいけないのが、1日約70万
トンも湧き出るという湧水だが、人々の生活に欠かせないものであるばかりでなく、貴重な
観光資源となっている。安曇野を代表する観光資源である大王わさび園で、良質なわさびが
作られているが、わさびづくりには年間通して水量、水温とも変わりないこの湧水が不可欠
である。(湧水温は年間13〜14度程度と一定で、夏は冷たく、冬は温かく感じる。)
  まち歩きでは、現地案内人である「安曇野案内人倶楽部」の「安曇野あるく路」ガイドを
利用した。(我々がまずガイド抜きで碌山美術館内を観覧し終えた後に、美術館の入口から
開始した。)美術館は、安曇野のシンボルであり国の登録有形文化財である碌山館を
はじめとした4つの展示館などで構成され、「東洋のロダン」とも称される彫刻家・荻原碌山の
作品が数多く展示されている。この美術館が、30歳という若さでこの世を去った碌山の死後、
地元の人々の寄付などで建てられたことや、その際敷地に隣接する(現在の)穂高東中学校の
生徒も資材運びを手伝ったという逸話からも、碌山への地元住民の愛情を強く感じる。
  次に、碌山美術館を東に移動し千国街道へ。千国街道はかつてこの街道を使って多く
運ばれた塩からとって、別名「塩の道」とも称される、松本と糸魚川を結ぶ街道である(「敵に
塩を送る」という言葉の由来となった。)。穂高のまちには、この街道の宿場である保高宿が
あり、大いににぎわったのである。(現在の地名では穂高と書くが、街道宿としては保高と書く。)
千国街道に来てまず我々を迎えるのが、「北の枡形」。この「北の枡形」とは(宿場へ)外敵の
進入を容易にさせない仕組みとして、あえて路を(鍵の手にように)屈折させた箇所。安曇野の
まち中のいたるところで、道祖神という石像が置かれ祀られるのを見ることができるが、特に
立派なものがこの枡形に置かれている。この道祖神とは守り神として、本来各村々が所有
しているものである為、裕福な村が他の村の道祖神を購入し、集めるということがあったと
聞いた時は少し驚いたが、売った村のほうも代わりに金銭的に補償されたわけで、普通に
行われていたようである。
  北の枡形を過ぎ千石街道を歩くと、いくつかの歴史的な趣のある建物に出会うことができた。
2階の召し合わせ部分が段型である窓が特に特徴的である旧若松屋は自由民権運動家・
松沢求策の生家であり、現在1階はカフェや店舗として活用されている。また、江戸時代に
建築された貴重な建物が残っていたり、街道から1本外れた裏路地には古い建物が残され、
懐かしい風景を見ることができた。しかしながら、現在安曇野を訪れる観光客はこの千国
街道に足を運ぶことが少ないということで、非常に残念なことである。現在は全く面影は
残っていないが、かつてこの保高宿の道の真ん中には水路が通っていたという。千国街道を
貴重な観光資源として盛り上げていくためにも、将来的に水路の復活・整備が実現して
ほしいというガイドの方の思いも聞くことができた。私もぜひそうなってほしいと思ったが、
水路が整備されたとしてどのように維持管理していくのか、など課題が多いようである。
  保高宿の南端の南の枡形では、緩くカーブしている道路が枡形(鍵の手)の名残であると
解説をいただき、この枡形に今も祀られる青面金剛像や、人々の信仰の対象である十王堂
などを見ることができた。
  最後に穂高神社に到着。穂高神社では20年に1度の大遷宮の間に2度行われる小遷宮が
執り行われたばかりであったため、今年になって建て替え工事が済んだばかりの真新しい
神楽殿を見ることができた。穂高神社はパワースポットとして地域の住民のみならず多くの
観光客をひきつける人気スポットであるが、現在観光客の多くは神社の東側の表参道を
通らず、駅から近い入口である北側の鳥居をくぐって最短距離で神社へ参拝してしまう
ようである。正式に表参道側の鳥居をくぐって参拝した方がご利益があるだろう、とのこと
なので、訪れる際はぜひ思い出していただければと思う。
  安曇野案内人倶楽部のガイドの方の丁寧な案内のおかげで、安曇野のまちが歴史ある
魅力的なまちであることを知ることができた。今後安曇野を訪れる方がいたら、ぜひ当ガイドを
利用していただくことをお勧めしたい。
(大河原章介)
→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2016/azumino/

☆**********************************************************************
◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
**********************************************************************☆
(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

☆**********************************************************************
◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
**********************************************************************☆
・今年の円頓寺七夕まつりは61回目、7月27日(水)〜31日(日)に開催されます。
  情報源:あるく下町情報誌「ポゥ」の縁側日記
  http://pawnet.blog35.fc2.com/

・七夕まつり中の2日間、30、31日に円頓寺商店街内の「ふれあい館」にて
  「ものづくり文化の館」が開催されます。名古屋友禅、名古屋扇子、
  レザークラフト、大正琴などが体験できます。
  →「http://www.nagoya-monodukuri.net/

#######################################################################
◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
http://www.spacia.co.jp/mm/
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
-----------------------------------------------------------------------
(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
URL http://www.spacia.co.jp/
#######################################################################