現在の位置:TOPスペーシアメールマガジン>325号

WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)  □[第325号]2012/12/17□  □配信数 807□

スペーシア・メールマガジンの第325号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆
  ・あいちトリエンナーレ2013プレイベント
  「オープンアーキテクチャー・愛知県庁大津橋分室・伊勢久(いせきゅう)株式会本社」   
  ◆住まい・まちづくりコラム◆
  ・徒然随筆「建造物・住宅計画における風水」
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

☆**********************************************************************
◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
**********************************************************************☆
○あいちトリエンナーレ2013プレイベント○
「オープンアーキテクチャー・愛知県庁大津橋分室・伊勢久(いせきゅう)株式会本社」   

 以前、このメールマガジンでも紹介した「オープンアーキテクチャー」のイベントが、
あいちトリエンナーレ2013のプレイベントとして11月3日に名古屋でも開催された。
「オープンアーキテクチャー」とは歴史的に価値のある建物などを公開し、その魅力を
広く伝えることで地域の財産として、まちづくりに役立てていこうというイベントである。
  第1回の開催は、愛知県庁大津橋分室・伊勢久株式会社本社、名古屋市市政資料館、
愛知県庁舎、名古屋市役所本庁舎の4コースが実施され、私は、愛知県庁大津橋分室・
伊勢久株式会社本社コースに参加した。以前から大津通りを通るたびに気になっていた
建物で、他の建物は通常でも入る事ができるが、こちらの建物にはこうしたイベントでも
ないと入れない。
  当日は天候にも恵まれ、30名ほどの参加者が集まった。受付を済ますと、歩道上で
建物の解説が始まった。解説は県の職員、伊勢久の社員、名古屋市立大学名誉教授の
瀬口哲夫先生が担当した。
  まず、愛知県庁大津橋分室は、1933年に愛知県信用組合連合会が建設し、現在は
愛知県の県史編さん室が使用している。当時金融機関の営業業務を行っていた1階の
ホールは、現在は書庫として使用しているが、豪華な装飾の漆喰天井は当時のままである。
また、階段室も見せ場で、曲線を描く手摺や、丸窓を見学させて頂いた。
  伊勢久株式会社本社は、染色薬品を扱う会社の本社で1930年竣工である。特徴は
スパニッシュ風の螺旋状の柱や、薬屋にちなんで施されたと言われる窓上部の薬壷の
意匠などだ。現在も1階には多くの絵の具や薬剤が並べられ、店舗として使用されている。
戦時中は空襲で火災になりかけた事があったが、社員総出で火を消し止めたそうだ。
社員の方々はそうした歴史に誇りを持って今でもこの建物を大切に使っているという。
  両建物とも、とても手の込んだ意匠が施されていて、現代の建築では表現できない
魅力がたくさんあることが分かった。特に実物を前にしての解説は一般の人にも分かりやすく、
いっそうこの建物への興味が湧いた方もいただろう。ただ、歩道上での解説は、歩行者や
自転車のじゃまになるし、車の騒音などで解説が良く聞こえないなどの課題もあった。
このあたりは、旅行会社が使っているイヤホン式のワイヤレスガイドマイクを使えば
解決するだろう。
  あいちトリエンナーレ2013では建築的な視点の作品に力を入れていくということで、
こうした取り組みに今後も期待できる。
(堀内研自)

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2012/aitori2013/

☆*********************************************************************
◆住まい・まちづくりコラム◆
**********************************************************************☆
○徒然随筆「建造物・住宅計画における風水」○

 風水という古代中国からの考え方があり、前回述べたように考え方の原点は「気」の
流れです。風水の考え方には「龍(りゅう)」「穴(けつ)」「砂(さ)」「水(すい)」があり、東を青龍、
西を白虎、南を朱雀、北を玄武といいます。元来は風水の基本は、国土計画や都市計画
という大規模な吉凶をみる考え方ですが、少し規模を縮小して建造物や住宅の計画にも
適用することが可能です。
  建築行為をするときには、まず土地の調査から始めます。そうすると土地の吉凶や
吉方位を知ることが重要になるので、敷地の形状や高低差、道路位置や正確な方角を
知ることです。代表的なものを風水上の考え方にしたがい述べると、下記のようになります。
  1.敷地の形状;正方形が最もよく、三角形など無駄なスペースを生じるような形状は
   よくありません。できれば後方に空地などあれば、発展性があり吉方の敷地といえます。
  2.敷地の高低;北が高く南が低い形状が最もよく、反対に北が低く南が高い敷地は
   よくありません。(ただし、この理論は北半球にのみ通用するものと考えています。)
  3.道路の位置;道路が敷地境界に沿って面している形状がよいです。T字道路の
   突き当たりの敷地は、道路からの「気」をまともに受けるのでよくありません。
  4.敷地の位置;区画整理後の敷地に見られるように、区画内の南東や南西の角地は、
   風水の考え方としては「気」を受け入れる形状になるので、方位的にいいでしょう。
 
  次に建造物の形状をみていくと、全体平面や立面計画による形状、設備等の平面計画、
各室の位置や方位などにより、風水上の考え方がわかります。重要なものを述べると、
下記のようになります。
  1.全体の形状;敷地同様に正方形に近い平面が最もよく、内部に家具等を配置する
   ときにも無駄なスペースを生じません。ときどき鋭角な平面形状をした建造物を見かけ
   ますが、鋭角方向の他の建造物に「気」を放出するので余りよいとはいえません。
  2.玄関と門;門と玄関は一直線上にない方がよく、玄関からの「気」を塀で受け止める
   ようにしたいです。沖縄地方にある玄関前の塀は、まさにこの「気」を留めるものです。
  3.玄関と階段;玄関を開けると正面に階段がある住宅を見かけますが、これも住宅内の
   「気」を玄関から逃してしまうので、余りよくありません。
  4.設備等計画;火気(ガス機器やIHヒーター等)はある意味で「気」を発するので、火気と直角
   方向には扉や窓を設けない方がよいです。
  5.各室の位置;便所は鬼門を外すことがよく言われますが、風水上はそういうことは
   ありません。むしろできる限り見え隠れに計画し便所の「気」を閉じ込めることが大切で、
   例えば廊下の正面などは避けた方がよいでしょう。また玄関の正面に部屋を計画する
   ことや、廊下の突き当たりに窓を設けることなどは「気」を逃がすことになりますので、
   避けたほうがよいです。

 風水は都市や土地の吉凶をみるものではありますが、日本で盛んに言われている家相
などとは違い、「気」の流れをみて判断していくものです。したがって或る意味では科学的に
都市や土地の状況を判断していく方法であるといえます。また風水に関する著作本は数多く
出ていますが、根本思想を理解して間違った著作本を選ばないように注意が必要です。
(風水では、色などを取り上げていません。)
(嘱託研究員・田中清之)

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Topic/column/tsurezure/08toshijutakufusui/

☆**********************************************************************
◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
**********************************************************************☆
324号拝見しました。
愛知県の「施設のバリアフリー情報の発信」の掲載を見まして・・・
実は、私どもの四日市地区(四日市市、菰野町、朝日町、川越町の
1市3町)では「多機能トイレ情報の発信による地域のイメージアップ事業
〜トイレシェアリングin四日市広域〜」に取り組んでいます。
同じ考え方の取組が他地区でも行われるのは、嬉しいことで
そんな思いから返信させていただきます。

このトイレシェアリングは貴研究所顧問の井澤先生に審査員を
お願いして、市民協働で進めています。
全国的に活動を展開しているNPO法人Checkの「Check a toilet」
というシステムに多機能トイレの情報を登録していく、というもので
月刊ガバナンス12月号(最終ページ)にNPO法人Check代表の
金子さんの記事が掲載されています。
機会がございましたら、ご覧ください。

〜四日市市政策推進課・服部様よりお寄せいただきました〜

☆**********************************************************************
◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
**********************************************************************☆
・毎年この時期は、お世話になった皆様に新年にお届けする社外報「ラバダブ」の編集を
  行っています。今回、第16号は「『歴史文化』をみつめ・そだて・つなぐ」です。
  「歴史文化」に関する弊社の取り組みを中心に紹介しています。

#######################################################################
◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
http://www.spacia.co.jp/mm/
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
-----------------------------------------------------------------------
(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
URL http://www.spacia.co.jp/
#######################################################################