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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第261号]2010/07/06□  □配信数756□


スペーシア・メールマガジンの第261号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆視察レポート◆
  ・雑木林(ざつぼくりん)を楽しむ会/福井県福井市
  ◆図書紹介◆
  ・シティプロモーション 地域の魅力を創るしごと/河井孝仁著
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆視察レポート◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○雑木林(ざつぼくりん)を楽しむ会/福井県福井市○

  雑木林は、福井大学と大学のすぐ隣を流れる川に挟まれた場所にある。また、すぐ近くに
田原町商店街がある。元々は屋敷林であり長年放置されたことにより、自然豊かな緑の
空間が形成されている場所であった。しかし、河川改修によって大きく形を変える可能性が
浮上し、それを知った学生が「貴重な地域の林を少しでも活かし、地域の庭としたい」と
2003年に『雑木林(ざつぼくりん)を楽しむ会(以下、雑楽会)』が発足した。(私は、雑楽会に
所属しておらず2005〜2007年の3年間、他団体として関わっていた。)
  当初の雑木林は、長年放置されうっそうとしており、また、元は民有地であったこともあり
(現在は大学と県の所有)、地域住民や学生が利用していいのか分からず、近寄り難い
場所であった。そのため、会は、初動期は【地域住民や学生に関心をもってもらうこと、
知ってもらうこと】を目的とし、草刈りなどの清掃活動を行ったり、老人会のピクニック
会場として活用したり、映画上映会などを実施して、地域住民などへの周知を図って
いった。次のステップでは【「地域の庭」としてのイメージを定着させる】ことを目的として
活動し、イベントの定期的開催や清掃などを継続して行っていた。活動メンバーの減少に
より、停滞時期もあったが、今年度から新たな学生が加わり活動を活発化させている。
そんな折、現雑楽会のメンバーから、当時の雑楽会の活動に関わっていた人から話を
聞きたいと声をかけて頂き、同時期に雑楽会に関わっていた卒業生とともに福井を訪れた。
  当初は、これまでの活動経緯、活動内容や当時感じていたこと、これからの活動に
何が必要かを教えてほしいという依頼であった。しかし、多くの学生がこの4月からの
会に参加していたため、メンバーそれぞれが「なぜ会に参加しているのか」「雑楽会として
何を伝えていきたいのか」「どういった活動をしていくべきなのか」を整理し、今後の会の
活動イメージを共有することとし、私たち卒業生主導でワークショップを行うことにした。
また、「雑木林の地図を描いてください」というテーマを投げかけ、それぞれが考える
雑木林の地図を描いてもらった。学生の多くは雑木林の中の様子を詳細に描き、卒業生は、
地域の中の一部として雑木林が描かれていた。新たな学生の認識として雑木林が地域の
一部として面で捉えられるように意識が変化することで活動の意義が見えてくるのでは
ないかと感じた。
  雑楽会の活動は今年で7年目を迎え、地域と良好な関係を築いており、地域・大学・
学生のパイプ役を担ってきたことは評価すべきものである。今後も会の活動が継続する
ことが重要になるが、活動に関わってきた大学OBOGが何らかの形で関わっていくことも
重要であると感じた。まちづくり活動は、そこに住む地域住民がおり、継続した活動が
求められる。そういった意味でも、今回のような形であれ、卒業したOBOGが活動や
地域に関われる環境づくりは必要である。私も継続的に活動に関わっていきたい。
  (朝倉卓也)

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2010/zatsubokurin/index.html

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○シティプロモーション 地域の魅力を創るしごと/河井孝仁著○
  東京法令出版/平成21年12月発行

  自治体におけるシティプロモーション、シティセールスの動きが最近、活発になって
いると感じる。仙台市や川崎市、北九州市、浜松市などでは数年前から専門の部署を
おいたり、戦略プランを策定したりして積極的に取り組んでいる。
  本書は、こういった自治体レベルのシティプロモーションの考え方について、その必要性
から、成功へ導くための要素までを、非常に分かりやすく整理しており、どういう視点で
考えればよいかを理解するにはよい本である。特に成功のための重要な視点として、
マーケティングの発想の重要性が指摘されている。プロダクトフローやセグメント
プロモーション、AIDMAなどの考え方を挙げ、例えば定住など自治体が本当に売りたい
ものにまで受け手の意欲を辿り着かせるためにも、行動や意識の変化に応じ、まずは
観光に来てもらうなど段階的に関心を誘っていくような情報発信やモノの売り方などが
必要であるという。同時に、そういった外への発信だけではなく、内側の市民の関心も
再度地域に接続しなおし、住んでいる人の満足度を高めるなどプライドや納得を育てる
ことも重要としている。それらを含めた総合的な魅力づくりの戦略がシティプロモーションで
あると位置付けている。
  事例も多数取り上げられているが、成功事例よりも発展途上の事例が中心で、著者が
提供するマーケティングなどの成功の要素と照らし合わせながら、課題の指摘などが
されている。そのため、シティプロモーションを既に実践しているが戸惑っている人に
とっても、ケーススタディとして大いに役に立つ内容となっている。当然、シティプロモーション
とは何かを学ぶのにも適している。ただし、本書は考え方の提供がメインであるため、
マーケティングなど実際のノウハウを学ぶには、もうワンステップ上の専門書が必要だと
感じた。
(櫻井高志)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・自転車で通勤すると、最近、駅前や学校周辺の交差点などで、信号がスクランブル
  方式に変わったところを何箇所か目にします。それによって、自動車の無理な右左折に
  よる事故の危険性が少なくなった感があり、歩行者や自転車にとってはありがたい
  傾向だと思います。(T.Asano)

・発行日が1日遅くなってしまいました。申し訳ありません。

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を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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