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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)    □[第237号]2009/8/3□    □配信数 743□


スペーシア・メールマガジンの第237号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆ 
  ・勝川駅前通り商店街 弘法宵市
  ・福江地区まちづくりビジョン
  ◆図書紹介◆
  ・地活な人々 こころ豊かに地域活性化
  ◆読者の声◆ 
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 勝川駅前通り商店街 弘法宵市/愛知県春日井市 ○

  春日井市JR中央線勝川駅前に延びる「勝川駅前通り商店街(勝川大弘法通り
商店街)」では、毎月第三土曜日に商店街を車輛通行止めにして道路の中央にテ
ントブースを並べる「市(勝川弘法市)」が開催されている。弘法市は、不用品を販
売するフリーマーケットではなく、商品を販売するお店として出店している点が特
徴的で、回を重ねるごとに出店者が増えている。来訪者も近隣住民だけでなく市
内各所からあるようで周辺駐車場はほぼ満車に近い状態になるという。
  今回紹介する弘法宵市は、通常は昼間に開催されている弘法市をこの7月と8月
には午後から夜にかけて行うもので、夕方には提灯が灯され下町の落ち着いた
商店街の雰囲気を醸し出している。今回の宵市には、これまでにない約90ブース
が出店し、有機野菜、産地直送品、拘りの味・自慢の味、雑貨・小物・衣料・陶器、
手作りアート・クラフト、占い、ネイル、ハンドマッサージなどのショップが、商店街
の端からはしまで並んでいる。
  また、かつて商店主らが企画運営していた「お化け屋敷」を、愛知県立芸術大学
の学生が空きビルを活用して完全復活させた。商店街関係者からも、当時より格
段にリアルで怖いと評価も高く、学生の柔軟な発想とパワーにより繰り広げられる
お化け屋敷には、前日の新聞報道等もあり多くの人が訪れ、子供から大人まで
悲鳴をあげていた。この他にも、お馴染みの大道芸パフォーマンスやTVでも取り
上げられている人気のネオ屋台(移動販売車)も出店し、心とお腹を満たしてくれる。
  商店街の組織力と学生パワーが融合した今回の弘法宵市は、これまで以上に
充実したものになっている。商店街活性化には、こうした取り組みで得られた集客
成果を商店主らが自身の商いにどうつなげていくか、商店主の知恵と努力も必要
となる。
  次回の弘法宵市は8月21日(土)午後3時から午後9時の予定。(村井亮治)

参考:勝川大弘法通商店街HP http://www.o-cobo.jp/

  →ホームページに写真を掲載しています。
   http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2009/koboishi/index.html

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○ 福江地区まちづくりビジョン ○

  「やらまいか ひだまり・ほほえみ・味なまち」。旧渥美町の中心だった福江地区
(現田原市)のまちづくりビジョンのキャッチフレーズである。ビジョンがまとまり、
田原市のホームページからビジョン本編がダウンロードできるようになったのが
6/1。報告が遅くなってしまったが、当社が2年余りにわたってお手伝いをしてきた
福江地区のまちづくりのとりくみについて紹介したい。

  まちづくりビジョンの作成を目的とする「福江地区まちづくり会議」が発足したの
は2007年6月。この会議の立ち上げにむけ、市民のニーズを把握するとともに市
民の関心を高めるため、アンケート調査、ヒアリング調査、まち歩きワークショッ
プを開催した。福江にはこの仕事を通じて初めて訪れたわけだが、渥美半島の
先に歴史あるまちがあることに驚いた。現在では主要交通ルートからはずれて
いるが、かつては東方から伊勢へいく交通ルートの拠点だったのだ。
  歴史のあるまちだけに市民のまちに対する思いも強い。それは広報による委員
公募に26名もの市民が応募したことにも表れている。様々な思いをもった多様な
市民が集まったことにより、多様な視点から多数の意見がだされた。それらをとり
まとめ、2007年度末に中間とりまとめとして発表した。3つの目標ごとに整理された
取組みの方向はどれもまちにとって必要なことばかりであったが、一方でビジョン
として何をめざすのがわかりにくいという意見もだされた。
  そこでビジョンのめざすところを示すキャッチフレーズを考えることとした。当初
委員から出されたアイデアは多様であり、この言葉が決まるまでには3回の会議
を要したが、「やらまいか ひだまり・ほほえみ・味なまち」というまちづくり会議の
委員の思いを共有化する言葉ができたことにより、みんなでまちを創っていこう
という思いが醸成されたのではないかと思う。
  この取組みの中で特筆すべき点として、まちづくり会議はビジョンづくりを目的
に立ちあがったものであるが、委員の中から地域の人々にビジョンの成果を目
に見える形で示していくことが重要との認識が生まれ、歩道橋のペンキの塗り替
えという機会を利用し、シンボルブリッジとして修景することになったことがあげ
られる。市民からの募金によって費用を捻出し、行政との連携により実現する
ことができたのである。
  この事業は「まちづくり会議実施事業第1号」と名付けられた。この名称には
今後、次々と具体の事業を実施していきたいという市民の思いが込められてい
る。厳しい財政状況の中で、具体の事業を実施していくことは容易ではないが、
まちづくりの芽は着実に成長している。市民と行政の連携によって、まちづくり
ビジョンの実現が図られることを期待したい。(石田富男)

→福江まちづくりビジョン本編は下記からダウンロードできます。
  http://www.city.tahara.aichi.jp/section/machidukuri/pdf/fukue-vision.pdf

→ホームページに写真を掲載しました。
  http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2009/fukue/index.html

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−  
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○ 「地活な人々 こころ豊かに地域活性化」/三井不動産 S&E総合研究所編 ○
    オンブック/2009年3月31日発行

  近年、日本各地から東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)への転入超過者数が増加
傾向にある。東京圏では、1994年に戦後はじめて転出超過となったが、それから2年
後の1996年、再び転入超過となり、それ以後増加の一途をたどっている。本書でも紹
介されているが、1996年から2007年までの転入超過者数の累計は約112万人となって
おり、驚くべきことに、12年間で政令指定都市一個分の人口が全国から東京圏へ流入
したことになる。これは、他地域の人口が確実に減少していることを意味している。なぜ
近年、東京圏へ人口が流れているのか。その大きな要因として、地方に‘働く場が少な
い’ことが挙げられる。特にここ1年程は、働く場を求めて、地方から東京、大阪や名古
屋へといった人口の流れが目立つ。そうなると、ますます地方の人口は減少し、まちの
活力も低下してしまう。本書は、そんな地方のまちにおいて、ごく自然的にまちづくりに
関わった人々を取り上げ、活動を紹介している。
  本書の面白いところは、地域活性化に関わる人々が皆‘自然体’であり、‘自立した
個’であるという点である。まず、前者の‘自然体’とは、強い使命感に駆られて、とか、

危機感を感じてまちづくりに取り組んでいるというのではなく、楽しみながら自らの仕
事をした結果、自然とそのまちの活性化につながっている。人々のスタンスが極々自
然体なのである。後者の‘自立した個’は、本書に登場する人々は皆、政府や企業に
頼らず自ら考えたことを自ら実行に移している。本書を読んでいると、個の力がいか
に重要かということがひしひしと伝わる。たった1人でも(もちろん、まちの人々の理解
やサポートなど必要なものはあるが)まちづくりは始められる。というよりは、一人の力
がきっかけとなり、まちが動いていくといった方がよいのかもしれない。例えば、本書に
掲載されているプロダクトデザイナーの島村卓美氏は、高地県馬路村の特産品であ
った‘間伐材のおさら’からヒントを得て‘間伐材のバック’を開発し商品化している。
その商品が東京・渋谷のショップで人気が出たのをきっかけに、今ではアメリカやヨ
ーロッパにも顧客がいるという。もちろん、人気商品となった今でも商品生産の拠点
は高地県馬路村。
  この他にも、本書には、「ご当地ソングが広げる輪」や「“まち”をまるごと映画にす
る!」など、ものづくりから始まった事例も多々紹介されている。少し変わったまちづく
りに出会える1冊だと思う。(喜田祥子)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・先日、地下鉄の最終電車に携帯電話を置き忘れて下車してしまいました。翌朝、駅
 まで取りに行こうと思って電話したら、すでに市役所の忘れ物取り扱いに送ったと
 のこと。地下鉄もサービスがよくなったと思って市役所の窓口に行くと受付は10時
 から。役所なので9時からやっているものだと思いこんでいました。改めて10時に
 行くと「まだ来てない」「渡せるのは早くて1時以降」。何故、そのことを、電話で問い
 合わせた時に言ってくれなかったのか・・・。自分の不注意が招いたこととはいえ、
 ものが携帯電話だけに、もう少し配慮した対応をしてほしかったなあー。(ishida)

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  を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
  ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
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(株)都市研究所スペーシア 編集:石田
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