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東京建物グループのサービス付き高齢者向け住宅の取り組み

 日本は75歳以上の後期高齢者が、2025年には現在の約1,400万人から約2,200万人へと急増すると言われている。特に、都市部での単身、夫婦世帯の増加率が高く、高齢者が安心して暮らせる住まいの確保が重要な政策となる。こうした中、厚生労働省では2025年を目標に地域包括ケアシステムの構築に力を入れており、住宅の整備としてはサービス付き高齢者向け住宅(以下 サ高住)が、現在までに14万5千戸以上整備されてきている。サ高住は、福祉事業者が他の高齢者施設と組み合わせて整備することが多いが、100万戸単位の住宅が必要となると、住宅産業の参入が必要であろう。ここでは、大手住宅デベロッパー 東京建物グループが取り組んだ「グレイプス浅草」を紹介したい。
 東京建物が高齢者住宅事業に参入した理由として、人口減少と超高齢者社会という重要な課題に対し「高齢者」「介護」というテーマで、どのような社会貢献がしていけるかを検討した結果であると語っている。その第1ステップとして取り組んだのが平成21年にオープンした「グレイプス浅草」である。「グレイプス浅草」は浅草駅徒歩5分の好条件の立地に、地上14階建、総戸数98戸、全戸サ高住の賃貸マンションである。住宅の他に、薬局、デイサービス、居宅介護 支援事業所、24時間巡回型訪問介護事業所も併設されている。稼働率は98%以上、現在待機者が約50名という人気の物件となっている。事業スキームは東京建物がビルの貸主となり、東京建物不動産販売が賃貸の運営、介護サービスの提供を介護事業者の「やさしい手」が担当している。特徴としては、まず、入居一時金が不要の一般的な賃貸住宅の形式を取っていること、また更新を必要としない終身建物賃貸借契約を採用していることが上げられる。次に介護サービスの内容はサ高住に必要な安否確認、生活相談の他、スタッフが24時間館内に常駐する緊急時対応、医療機関と連携した健康管理、食事の提供も行っている。さらに、入居時に発生する引越しの悩みについて、きめ細かな対応をしてくれる引越しサポートサービスも行っている。引越し業者は今まで使っていた家具が新しい部屋に入るかどうかまでチェックしてサポートしてくれるそうだ。これは高齢者世帯にはありがたい。
 東京建物グループでは、高齢者住宅事業を重点分野と位置付け、積極的な展開を行っている。平成25年には埼玉県に「グレイプスふじみ野」がオープン。今年度は都内に約200戸のサ高住をオープンさせる予定である。
 これからの高齢者施設は、まず住宅としての質が重要視されるだろう。団塊の世代以降は近代的な住宅で暮らしてきた人ばかりであり、いきなり老人ホームというような施設に入居することに抵抗を感じる世代である。住宅産業が質の高い住宅と介護サービスをセットで提供する「グレイプス」のような住宅の需要は、今後益々増えるだろう。

(2014.6.23 /堀内 研自)

グレイプス浅草 ホームページ ↓
http://www.grapes-life.jp/asakusa/