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公共施設内の案内表示

 施設内の案内表示について改めて言うまでもないが、来訪者が施設内を移動する際に頼りにするツールである。しかし、実際には表示がない、表示が小さい、色使いがよくないなどの不備がある施設がしばしば見られる。このことに関連し、私が以前から関わっているまちづくりNPOでは、平成20年度に、(財)名古屋都市センターの助成を受け、公共施設のホームページでのバリアフリー情報の提供の仕方ととともに、施設内の案内表示についても提案を行った。この取り組みでは、名古屋都心の大規模商業施設と複合施設3施設を対象に現地調査を何度か重ねた。その結果、施設内の案内表示について問題となった点として、トイレ、エレベーターの表示の例を紹介する。
 トイレは、障害者が出かけるのに最も欲しい情報である。障害者用トイレと呼ばれるトイレには、スペースを確保しただけのタイプと、スペースだけでなくベビーベッドやオストメイトなど様々な機能を有する多目的トイレとがある。さらに、一般トイレ内で車いす使用者が使えるようにスペースを確保したケースも出てきている。そこで、フロアー図にどのタイプのトイレがあるか、ピクトグラム(アイコン)などの記号で表示されていると安心できる。
エレベーターについては、障害者対応エレベーターの位置がフロアー図に明示されていたり、エレベーターの稼働時間が限られている場合、そのことが表示されていると安心できる。
 近年、バリアフリー新法など法制度が充実し、バリアフリーに配慮した施設や設備がある程度増えてきているが、それにもかかわらず、案内表示が不備であるために利用しにくい施設もしばしば見られる。また、最近は施設が複合化、大型化する傾向にあるため、施設内の案内表示への配慮は今後ますます重要になってくると思う。
 ちなみに、この取り組みの成果を持って対象施設を再度訪問し説明をしたところ、その成果を受け、調査したうちの1施設が今年度に入って案内表示の改善について検討を開始した。その検討過程で我々がアドバイスをする機会に恵まれ、年内には改善された案内表示がお目見えするであろう。

(2009.6.6/浅野健)