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国登録有形文化財小栗家住宅と知多の”醸す”産業によるまちづくり

 業務の関係で、愛知県半田市にある小栗家住宅を見学できる機会に恵まれた。
 小栗家は1600年前後から続く家系で現在の当主は14代目として継承している。
 小栗家住宅は、築後140年超経過し、部分的に手が加えられつつも、その当時のままという部分もあり、主屋、書院、茶室などが配置され、それら8件が半田市で初となる国登録有文化財の指定を受けた。
 当日は、当主から小栗家の家系なども紹介され、小栗家は代々酒造中心の事業を営んでいたが、時代の流れから味噌や醤油へとシフト。一方で隣接する同業だった中埜家(ミツカン)はお酢へとシフトし、大きな発展を遂げられた”ライバル”との歴史も紹介された。 
 建物内は、吹き抜けの大空間を有する土間や独特な建築様式がみられる茶室、細やかで華やかな部屋の内装仕上げや調度品の数々など、見所が多い。
 当家は、昨年度まで建物の一部を開放し、半田市の蔵のまち観光案内所として活用されてきたが、今年度になり案内所が移転したことから、ごく限られた機会でしか内部をみることは難しくなり、貴重な体験であった。
 また、この小栗家が立地するエリアは海運で活用された運河沿いに建つ蔵のまちとして行政も街並み整備に取り組み、最近ではミツカンによるMIZKAN MUSEUMがオープンするなど、知多のものづくりの特徴である”醸す”を楽しめるエリアでもある。さらに、中埜家や小栗家も携ったカブトビールの製造工場でもあった半田赤レンガ建物が補修を終え、新たに展示スペース等を備えた施設として再生され、運河沿いを散策しながらの施設巡りも楽しめる。
 この地域は、半田のお酢をはじめ、隣接する常滑のお酒、醤油、武豊の味噌、溜まりなど、”醸す”産業の歴史あり、企業博物館も多く整備され、行政区を超えて産地をつなぎPRするなどの連携をはかってきている。これらは、知多半島のほぼ中心に位置し名古屋をはじめ三河方面からのアクセスも容易で、今後の取り組みにより街の賑わい、活性化に更なる期待がかかる。

〇半田市観光ガイド 蔵のまち散策紹介
http://www.handa-kankou.com/tekuteku/teku_kuramachi.html
〇MIZKAN MUSEUM HP  
http://www.mizkan.co.jp/mim/

(2015.12.8/村井亮治)