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コミバスで行く小旅行 酒蔵見学とやまがのウォーキング/愛知県岡崎市保久町

 先日、下山ささゆりバス委員会が実施している「酒蔵見学とやまがのウォーキング」に参加する機会があり、岡崎市保久町を訪れた。岡崎市街地から保久町までは「ささゆりバス」に乗り、正味1時間程で到着する。
保久町がある下山学区は、旧額田町であり、2006年に岡崎市と合併している。保久町は、鎌倉・室町時代と江戸時代に繁栄した歴史があり、鎌倉・室町時代に保久城が築城(現在は城址)されている。保久城の初代当主は山下義通氏であり、桓武天皇の子孫であったと伝えられている。足利将軍の奉公衆として仕え、三河四翼の一角を占めていたとされる。そういった背景があり、都の文化が伝わり、文化的にも栄えていたとされている。また、地区の八幡宮の境内には、農村舞台が設けられており、文化の豊かさが後世まで引き継がれていることを感じさせる。現在、農村舞台は「岡崎観光きらり百選」に選ばれている。
 今回、ウォーキングに参加するきっかけは、愛知県が進める環境にやさしい交通行動「エコモビリティライフ」に弊社が関わらせて頂いており、その一環で「エコモビリティライフを促進するモデル事業」に下山ささゆりバス委員会が応募し選定されているからである。
 会の目的は、交通空白地帯である下山学区と都市部を結ぶ唯一の公共交通手段である「ささゆりバス」の利用促進の拡大推進としている。ささゆりバスは、主に朝夕に通勤通学者を送迎の利用が多く、それ以外での利用が少ない。そのため、委員会では下山学区の歴史と自然を活かして、ウォーキングツアーを開催して利用者拡大に取り組んでいる。また、ガイドボランティアの養成も合わせて行っており、地域の人たちが講習会を開き、だれもが保久町を案内できる体制づくりを目指している。
 ツアーに参加してみて普段の生活ではコミバスに乗る機会がほとんどないため、非常に新鮮な体験となった。コミバスは、主に交通弱者のための移動手段の確保として生活に密着したルートになっているため、目的地までに幾分時間がかかってしまう場合がある。しかし、逆を考えてみると、時間に余裕があれば、自分が生活しているまちの風景を改めてゆっくりと眺めることもでき、他地域のコミバスに乗ることでそのまちの雰囲気が感じられるのではないだろうか。時間に追われて生活している人が多いと思うが、ちょっとした時間を見つけて、ぶらりと小旅行を楽しんでみてはどうだろうか。

 下山ささゆりバス委員会が行っているウォーキングツアーは、2010年2月(1月3日は除く)まで毎週金曜日に行われている。事前予約が必要であるが乗車運賃の500円(片道)のみで参加できる。バスは岡崎市のげんき館から出発している。
ささゆりバス
ささゆりバス
岡崎市保久町風景
岡崎市保久町風景
農村舞台
農村舞台(岡崎観光きらり百選)

柴田酒造場
柴田酒造場
(2009.12.7/ 朝倉卓也)