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再開発ビルの管理運営について−大須301ビルの新たな展開の報告から/名古屋市中区
  先回のメルマガで紹介した「大須301ビル」の地域貢献イベントの第一弾「健康フェア」が今月14日(土)と15日(日)の両日開催された。
 週末の大須商店街は相変わらず多くの人出で賑わっていた。今回のイベントは301ビルにテナントとして入居するクリニックが中心となり健康チェックや健康相談、ヨガ体験やNPO法人による大須の優しさチェック(車椅子利用の側面から商店街のバリアフリー度をチェックする)というもので、大須に来た人に301ビルの存在とクリニックモールに入るテナントのPRを目的としていた。
 各コーナーへの来場者は、無料、手軽、早いという条件が揃ったのか簡単な器具を使った1Fに設けた健康チェックには多くあった一方で、2Fに設けた健康相談やヨガ体験コーナーは、2Fへ人を誘導する仕掛けが弱いことから訪れた人は疎らで、会場の位置による集客効果の違いがでた。また、現場での案内サインのデザインやその設置個所なども影響した模様でいくつかの課題が残った。今回のイベントはビル管理を担う資産管理法人及びテナントが試行錯誤の中で準備してきたもので十分とはいえない部分もあったが、あげられている課題に対する議論を重ね次に繋げていくことが必要になる。
 大須と同様に商店街の一角で施行された再開発ビルを資産管理法人が管理運営を担い、商業デベロッパー的な取り組みを模索しようとしている事例がある。どちらも商店街という独特の環境で長年関係を保ち続けてきた店主(権利者)らが資産を共有し、その管理運営の「事業」に共に携わることの難しさを抱えている。従来、商店街では商店街振興組合が組織され店主らは組合組織の中で議論しあいながら共同事業を展開してきたがあくまでも店主の判断で協調体制をとらずともよい関係であった(それはそれで問題もあるが)。しかし、再開発ビルは店主らが資産の共有者でもあり経営者(事業者)として同じ立場にたち議論し実践して行かなければならず、年齢的な問題、店舗の経営規模、商店街でのこれまでの取組姿勢などの様々な要因からビルの管理運営や活性化策などの事業を同じレベルで議論しあい、取り組むことが難しい側面がある。また、スムーズな世代交代も会社組織として維持していくための課題の一つでもある。
 再開発事業の施行中は、ビルを完成させることを目的に一致団結してきたが、その思いを今一度蘇らせ課題を克服し、長期的な視点が必要なビルの管理運営に活かしていくことに期待したい。また、そのために支援できる部分があれば積極的に取り組んでいきたい。


 なお、大須301ビルでは夏のイベント企画としてデザイン系の学生さんからビル内の壁画デザイン及び市民へ配布するうちわのデザイン募集も行っている。
 詳しくは大須301ビルHPで。http://www.osu301.com/index2.html

健康フェア(健康チェック)会場 大須のやさしさチェック
(車椅子のサイズを測定中)
(2008.6.23/村井亮治)