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学校美術館〜三重県立美術館の取組み〜
  「学校美術館」とは、三重県立美術館が独自に開催している移動美術館の企画です。美術館の所蔵作品十数点を学校へ持ち出し、体育館等に展示パネルを立てて仮設の美術館を開催しようという試みです。この企画の発端は、美術館の改装の時、休館中に病院や学校に移動美術館を行ったことが始まりだったそうです。2003年度に伊勢市の中学校と久居市の小学校で試行したのが、本格的な開催となります。
 この「学校美術館」の大きな特徴は、展示作品を生徒が選定している点です。展示作品は「学校美術館カード」という葉書くらいのサイズに作品を印刷したカードを使い、事前の授業で生徒に選んでもらいます。当然、貸し出しできない美術作品もあるので、学校への展示が可能な作品でカードは構成されています。
 選ばれた十数点の作品は赤い大きな展示パネルと共に学校へ運ばれ体育館等で設置されます。この設置作業はプロでなければできない大変なもので、1回の設置で20〜30万の予算が必要となります。
 「学校美術館」の当日は、学芸員の方が注意事項や作品についての説明があり、「びじゅつかん ひみつ ブック」(写真)などのパンフレットも用意されています。このパンフレットは美術館が作成しているものですが、キツネとウサギのキャラクターが進行役を努める楽しいものです。内容は作品を理解するための簡単な解説や、イメージを膨らませるようなコメント、感想を尋ねる質問などで構成されています。参加者は生徒を始め、父兄や地域の方々にも解放する場合があるそうです。
 大切な作品を外部へ持ち出し展示するのは作品が破損する恐れもあり、費用も手間もかかる大変な企画ですが、遠方の学校を中心に、毎年数校開催していく予定だそうです。
(2008.3.31/堀内研自)