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歴史を活かしたみちづくり

愛知県津島市
 津島市では、歴史を活かしたまちづくりを進めていくため、平成17年度に「本町筋まちづくり基本方針」を策定した。この方針にもとづく事業のひとつとして、歴史的地区の中心的な街道である本町筋の道路景観整備が予定されている。
 道路の整備にあたり、市民の方々の意見を取り入れていくための取り組みを実施しており、弊社もそのお手伝いをしている。イベント時に合わせて舗装材の人気投票を実施したり、沿道住民の方を対象としたアンケート調査、ワークショップなどを開催している。

 印象的なのは、コストを考慮すべきという意見が多く聞かれることである。市の財政の厳しさを心配し、あまり贅沢をすべきでないという声が多い。また、沿道住民を対象としたアンケート結果からは、地域の高齢化がかなり進んでいるという状況がわかり、それに伴って空家が増えていることを心配する意見もかなり出されていた。一方積極的な意見としては、道路の整備と合わせて地域の財産である歴史を生かすための工夫をしようという意見が出されている。

 津島の歴史的市街地の価値を多くの人が認識しながらも、空家・空地は年々増え、活力がだんだん失われているような印象がある。しかしそういう状況だからこそ歴史を活かしたまちづくりを進め、流れを変えていく必要がある。実際、歴史的景観に合わせた道路整備自体は、市民の間で好意的にとらえられていると感じる。道路整備は、市が歴史的町並みの拠点的施設として活用を計画している旧津島信用金庫の整備と合わせて実施されることになっているが、これらの取り組みによって町並みが生き返り、市民の方々がまちを誇らしく思う気持ちを取り戻すきっかけになるとよいと思う。


イベント時に実施した舗装材の人気投票


ワークショップで舗装材の見本を見ている様子

  (2007.3.6/伊藤彩子)