川原町とは現在の岐阜市湊町、玉井町、元浜町にあたる所で、金華山を望む長良川の堤外地にある。江戸時代には長良川の船運の重要な湊であり、特に木材や和紙の陸揚げが多く、それらを扱う問屋町として発展していった。戦時中も空襲を免れたため、この地区では多くの家屋敷が昔ながらのまま残っており、趣ある町並みをとどめている。
こうした歴史的な景観を後世に残していこうと、地区住民が中心となって「川原町まちづくり会」は発足した。平成13年に岐阜市から「都市景観形成市民団体」の認定を受け、本格的なまちづくりがスタートしたばかりではあるが、その活動はすでに実を結びつつある。統一された門灯の設置や昔の円筒形ポストの設置をはじめ、今年はまちなみ形成のルールを定めた「まちづくり協定」を作っていくそうだ。また、町の中ほどに、かつて和紙問屋だった町屋を改修した、「川原町屋」という喫茶兼雑貨屋がオープンし、平日でも100人以上の人が訪れる人気スポットになっている。会長の後藤さんは「生活の場として誇りの持てるまちにしたい。」と語っており、単なる商業開発ではない、本物のまちなみをめざしていくそうだ。事務局長の玉井さんは「めざせ伝建地区!(伝統的建造物群保存地区)」とやる気に満ち溢れていた。
川原町には、岐阜市でただ一軒となったうちわ屋や鵜飼の観覧船乗り場、材木問屋など、まだまだまちづくりに発展する要素はたくさんある。また、岐阜市の職員の方も会合には必ず出席し熱心に活動をサポートしているそうで、今後の展開がとても楽しみである |
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