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 NPOタウンキーピングの会
 数年ぶりに常滑市のやきもの散歩道を訪れた。おしゃれなギャラリーや雑貨屋、飲食店が増え、たくさんある窯元もずいぶん覗きやすい雰囲気となっていた。やきもの散歩道は、常滑市中央部の丘陵地帯を中心に中小の焼き物工場が連なる地区の中をめぐる小径である。もともとは生活道路だがレンガ造りの煙突や窯、古い窯道具を敷き詰めた坂道、土管や瓶を積み上げた擁壁など、「やきもののまち」らしい個性ある町並みが独特の景観を形作っている。そうした個性あるまちなみは機会あるごとにマスコミ等に紹介され、自然発生的に「やきもの散歩道」として多くの人々に親しまれるようになった。17年前から地元観光協会・各種団体が中心となり、「やきもの散歩道フェスティバル」を周辺住民の協力を得て開催している他、散歩道を訪れる人のためにボランティアガイドとして市民グループが観光客の案内や説明にあたっている。

 そんな中で自治体職員、建築士、コンサルタント、地元の製陶所経営者、ギャラリー・喫茶店経営者等が集まって、やきもの散歩道の活性化や維持保全、まちづくり活動を進める「タウンキーピングの会」が、昨年6月にNPO法人化された。タウンキーピングの会は、常滑に住み、やきもの業を営む人々が、無理をせず住み続け、また商いを続けられるよう、観光交流の適度な活発化を望んでいる。そのためにやきもののまちの風景を守る景観条例や地主と借主・借り手をつなげる仲介システムなどを確立させようと活動を進めている。

 清里や湯布院などのようにブームになると同時に急速に外部資本による開発が進み、残念ながら昔ながらの良きまちなみを失ってしまったというところも多いが、タウンキーピングの会が活動する常滑は、住む人・やきもの業を営む人がイニシアチブを取って、ゆるやかな観光地化が期待できるのではないだろうか。

タウンキーピングの会主催 
「感動のまちかどフォトギャラリー」


煙突の残るまちなみ


土管坂


(2003.5.2/竹内 郁)