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ものづくり文化の道(西区)への誘い

  名古屋には名古屋城〜白壁町・主税町・橦木町〜建中寺〜徳川園までの一体(東区)を近世武家文化と名古屋近代化の歴史・文化を活かした「文化のみち」を整備する構想がある。ここはいわば消費・生活のエリアとするなら、名古屋城を中心にしてその西側には産業・技能のエリアが広がる。

 江戸時代から引き継がれた名古屋友禅、名古屋扇子の職人技、名残をとどめる四間道や美濃路。醤油の計り売りをする小売り(山英)、明道町の駄菓子屋問屋街と菓子メーカー(グリーンピーナッツやシトロエンソーダで有名な春日井製菓やクッピーラムネで有名なカクダイ製菓、そのほかマコロンやマンボのメーカーも)、駄玩具問屋がある。印鑑のシャチハタ(今は本社が移転したが)、インテリアのサンゲツもこのエリア内にある。

 そして、このエリアの近代産業の象徴として産業技術記念館とノリタケがある。
 産業技術記念館は旧豊田紡織本社工場を活用して、繊維機械の発達史、繊維機械から自動車へ、そして自動車技術と生産技術、を動態展示しながら分かりやすく解説している。手機から自動織機へ、そして最新自動織機の動態展示は、音の違い(=スピードの違い)で生産性の違いが目(いや耳か)の当たりにできる。ここでは「モノづくりの心に出会う、知る、体験する」をキャッチフレーズにしている。
 他方、ノリタケ(正式にはノリタケ・リミテド・カンパニー)は、世界的にノリタケチャイナで有名である。もともと、森村組が全国の焼き物関係の職人を一同に集め、生産拠点にした東区橦木町であるが、本格的に西洋ディナーセットを開発・製造するため、1904年に設立したのが、このノリタケ工場(当時は日本陶器)であった。2004年には100周年を迎えることになるが、それを記念して現在「ノリタケの森」が整備されつつある。ここでは生地製造・画付け工程見学や画付け体験ができるクラフトセンター、オールドノリタケの展示したミュージアム、生き物が生息する森(ビオトープ)、レストランやショップなどが本年10月5日に改修あるいは新規にオープンする。

  このような地域資源をネットワークして「ものづくり文化の道」(仮称)を整備していこうと、今西区では検討が進められている。しかし、まだ多くの人々を呼び込めるだけの地域資源の掘り起こしや分かりやすい案内、そして地元のもてなしなどの対応が課題となっている。
 単に旧き時代を偲ぶだけでなく、何ゆえ隆盛産業が衰退していったのか、産業として生き残るためには何が必要かのヒントを与えてくれるのも、この「ものづくり文化の道」(仮称)である。まさに先人達の智恵の宝庫である。
 このように、名古屋城を中心に両ウィング(東と西)の「みち・道」が整ってこそ、名古屋の歴史・文化の理解を深めることになろう。

(2001.8.27/井沢知旦)