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岩倉市見学
スペーシア 新人研修レポート(96.5.18)

 街角の占い師はまず、「家の近くに川が流れていますね。」と言う。すると客は「すごい、あたってる!」と、話に引き込まれていく。

 5月18日、かねてより計画していた新入社員「まち」見学、目的地は岩倉市。大変幸運なことに、古池さんの紹介で岩倉市の職員であり、代々住民でもある榊原惣一郎さんに案内していただくことになった。

@尾北自然歩道

 「まずは川の下流から行こうか。」と榊原さん。岩倉市南部、五条川が大きく湾曲する部分である。川に沿った道路には、小さな空き地が多い。そのひとつを利用したのが曽野休憩所である。広さは369u。地元の若者らしき6名が、バーベキューで盛り上がっていた。柵などはないため、どこからでも入れるが、我々が本来の入り口をくぐり、東屋にはいると、クラッシックが流れ出した。驚いたのは当の住民である。バーベキューもそっちのけに、なんだ、なんだと騒いでいた。

 他にも城跡、石仏など休憩所は多い。都市公園の市民1人当たりは、0.82uと小さいが、実際日常に利用できる空間というのはこのような所かも知れないと感じた。

A音のアート

 岩倉市で唯一の立体交差を渡り、駅の西を南北に走る新柳通りへ。音のアートを見に行った。通り約1kmに「音とコミュニティ」をテーマに96年3月に設置された。作品は4つ「気を付けて見てないと見過ごしちゃうんですよ。ちょっと、お恥ずかしいんですが。」

 確かに説明がなければ良くわからない。しかし、電柱の色を抑え、ガス灯のような街灯の並んだ通りはなかなか良い。市は、新柳通りをまちのシンボル・ロードとすべく、昨年は歩道を拡幅した。クリスマスにはその歩道でパーティーをやったという。「いやあ、寒かったのなんのって。」

B岩倉自然生態園

 岩倉市の南西、北島町はそこここに雑木林が残り、農業を営む日本家屋が数多く建っている。一時期はださい、暗いとされた日本家屋だが、今や憧れる人は多い。

 岩倉自然生態園は自然環境の復元と、ビオトープの創造を目標に96年4月にオープンしたばかりである。ワークハウスや東屋は全て木製で、なかなか良いが、一見、「殺風景な造成中の公園」に見える。訪れたのは土曜日である。地元の小学生の姉弟が、「貝の赤ちゃんみたことある?」と声をかけてくれた。聞けば、友達としょっちゅうここで遊んでいるという。

 学校から写生に来たり、常駐の係員の方から説明を受けているらしく、生き物の居場所や、公園の仕組みに実に詳しい。引き上げるときには「今度はいつ来るの?」と何度も聞かれた。

C五条川流域

 榊原さんのお宅のすぐ裏手に五条川が流れていた。休日にはカヌーを下ろして、下ることもあるという。川岸の所々に確かに、カヌーを下ろすことも可能な階段護岸が施されている。川にかかる橋も歩行者専用であったり、真ん中にベンチがあったりと、実に個性豊かであった。

Dてんのう公園

 市の北部のてんのう公園は、市が計画する住民参加の公園づくりの第1号である。15人ほどの小学生(なぜか女の子ばかり)が嬌声を上げていた。スポーツ遊具が多いが木製のため、非常に痛みが激しく、危険なものもあった。住民の方の意見を取り入れたとはいっても、市の思惑通りに公園は使われるわけではない。「始めてみなければわからなかったが、」と、榊原さんも驚いておられた。

 広場の真ん中に大きな時計があった。みればどの子も学習塾の鞄を持っている。現代っ子は、時間を忘れて遊ぶことなどできないということだろうか。

(竹内郁)