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ブラタモリ(2) 富士山 東京駅 真田丸スペシャル(上田・沼田)/NHK「ブラタモリ」制作班 著

発行 株式会社KADOKAWA/2016年7月29日

 現在、NHKで好評放送中の番組「ブラタモリ」。ご覧になっている方も多いかと思う。2015年4月の第1回放送から回を重ね46回までその足跡が積み上げられてきた。
 本書は、その数回の放送分をまとめ書籍化されたシリーズの第2巻である。
 街歩き番組は数多く制作されるが、本番組は、タモリさんが解説役として登場する
専門家顔負けの知識や感想を披露するやりとりが他にはない魅力で、これまでも何度か視聴してきた。街づくりに関わる仕事をしている者としても、短い放送時間でも、その街の歴史、文化や人々の暮らしど、いくつかある見所からポイントを押え、あるところは掘り下げ紹介されており、街歩き番組として非常に興味深く視聴している。過去の訪問地の記憶が蘇るとともに、訪問がない場所では様々な発見がある。
 今回発刊されたのは、番組開始当初の訪問地から選りすぐられた数地域がまとめられたもので、番組内で紹介された内容がわかりやすく解説文、建築図面、地図、古地図、写真等を交え構成され、番組を通して視聴した時以上に、活字となった本書を手にすると、見逃した部分も含め内容がより鮮明に、より深く理解できる。
 本書では東京駅が取り上げられており、大都市東京のターミナルとして歴史を重ねてきた東京駅、その駅全体や駅舎建物の構造に注ぎこまれた建築技術、地下に存在する幻の地下道空間、さらには駅界隈の地下で拡大を続ける巨大地下商店街など、建築や都市計画的な視点で東京駅を丸ごと掘り下げ、専門書並に解説付きで紹介している。
 実在の街を舞台にした番組等が人気になると、その地が聖地となりファンが巡礼者となって訪れ、話題になることがあるが、今後、本書を手に実際に訪問するブラタモリ巡礼者もみられるのではないだろうか。
 これまでの放送で、この地域はサミット開催もあり、三重県伊勢志摩のみ取り上げられている。今後、愛知県や岐阜県ではどの地域が取り上げられるか興味深い。
 本書では他に富士山の信仰や火山としての成り立ちなどが紹介されている。登山を始めてもなお、富士山登山は先延ばしにしてきたが、本編を視聴し本書も手にしてみて、”人はなぜ富士山山頂をめざすのか?”その答えを実際に登り、見て確かめてみたいとも思った。

NHK HP 番組紹介:http://www.nhk.or.jp/buratamori/index.html

(2016.9.15/村井亮治)