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冬の角館/秋田県仙北市 

  このメルマガは持ち回りで原稿を書くことになっている。新年1/5号の担当になったのも巡りあわせと受け取り、視察ではないが、年末に家族旅行で訪れた角館の話題を提供したい。

 角館といえば伝統的建造物群保存地区になっている武家屋敷通りの枝垂桜が有名であり、近くの桧木内川(ひのきないがわ)堤のソメイヨシノの2キロの並木とともに多くの観光客でにぎわう。ポスターなどでみるその景色は心をうきうきさせてくれるが、冬の雪景色も趣深い。武家屋敷の黒い建物と雪の白のコントラストが日本らしさを感じさせる。ポスターにもなっているところをみると、冬の景色も売り出したいというところだろう。
 いくつかの建物が公開されており、その1つ「青柳家」にはいってみた。敷地面積3000坪という広大さで、数々の収蔵品にその財力のすごさが偲ばれる。このような広大な武家屋敷が1本の広い通りの両側に連なる。残念なのは、通りの自動車通行の多さである。ポスター写真などでは自動車のいない風景が映し出されるが、折角の雪景色も自動車の通行で融かされてしまう。今回も最初は雪が降る中を情緒あふれる景色を眺めることができたが、雪がやんでしまうと景色は一遍してしまった。どこのまちでもそうだが、歴史的町並みにおける自動車のあり方は大きなテーマである。
 宿泊は田沢湖畔の温泉をとったのだが、この他にも乳頭温泉など著名な多くの温泉地を有する旧田沢湖町と旧角館町、旧西木村が合併してできたのが仙北市。田沢湖、角館という全国ブランドの地名を有しながら、それが市名にならなかったのは、両町の主導権争いがあったからだとタクシーの運転手に教えてもらった。合併によって市の真ん中に田沢湖が位置するという絶好のアピールの機会を与えられたのに、それを活かしきれない愚かさ。そんなことも考えさせられた旅であった。



角館伝統的建造物群保存地区案内板


武家屋敷通


武家屋敷通


青柳家案内板


青柳家の前

青柳家の敷地内にある神社
  (2009.1.5/石田富男)