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表参道ヒルズ
 先月、久しぶりに東京へ出かける機会があり、所用を済ませ数年振りに表参道へと足を運んだ。地下鉄表参道駅から地上へ出て、JR原宿駅へと通じる通り沿いには、様々なブランドショップが建ち並び、歩道脇に続くけや木並木とともに、独特の雰囲気を醸し出し落ち着いた印象を受ける。

 表参道ヒルズの特徴は、建物の外観の高さは抑えて地下に空間を広げた設計にあるが、道路の反対側から序所に近づくと、建物の高さも意匠的にも周囲と揃いあまり違和感がない。しかし、建物内は4層吹き抜けの地下空間が広がり、外観とのギャップに驚かされる。内部は、吹き抜けの周囲を囲むようにスロープとそれにそって店先から店内が見渡せる規模で開放的な店舗が並び、ゆったりぶらぶらとウィンドウショッピングを楽しめる商空間となっている。

 東京の再開発といえば巨大なビル建設が多い中で、表参道ヒルズは派手さはなく建物の外観も内部空間もすっきりとした印象。また、東京湾沿岸での開発では海からの風を遮る"壁"となり都心のヒートアイランド化を高める要素とも言われたことがあったが、この表参道ヒルズは地下深く掘り下げていることから、もしかすると夏涼しく冬暖かい環境に優しい建物なのかもしれない。

 表参道ヒルズは、都市再開発法に基づく第一種市街地再開発事業(組合施行)の手法により事業がなされている。地区名は、「神宮前四丁目地区」で、再開発事業である以上、権利変換計画の作成、専用部分と共用部分の区分け、90条登記、101条登記etc といった再開発上の手続きを経て完了したのだろうが、自らもその業務に携わり再開発ビルの建設に関わってきたが、権利関係や共用部分の取扱い、補助金対象部分の整理、登記手続き、管理方法など、一般的な再開発ビルでさえ頭を抱えることが多々ある中で、手続きなどをどう進めてきたのか、機会があれば実務に関する説明などを聞いてみたい。

 また、表参道ヒルズの裏手にも洒落たショップがいくつも立地するが、その中に新潟県のアンテナショップ「ネスパス」がある。都内にある道府県の観光物産情報発信施設といえば官庁街の事務所ビルを間借りするケースが多い中で、表参道にビルを構え新潟の魅力を"頑張って"アピールしていた。表参道に行った折にはその頑張りをみに足を運んでもらいたい。

表参道ヒルズ


表参道・新潟館・ネスパス

  (2006.7.21/村井亮治)