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浜松のまちづくり 

 浜松に訪れるのは4年ぶり。前回訪れたには、浜松駅北側の区画整理区域内では官公庁街の施設用地や大学の施設用地の買収に入った時に郊外への転出者が続出したこともあって、空地が随分目立った。現在では街路などの骨格ができ、それに合わせて総合庁舎、大学、小学校、公益施設など、周辺に住宅も徐々に建てられており、街らしくなってきた感がある。 名古屋都心部にJRツインタワーができて以来、名古屋周辺の中核都市では中心部の集客力の低下が課題となっているが、浜松は名古屋と適当な距離があって独自の都市圏をもち、周辺都市からの集客があって賑やかである。スクランブル交差点の多さ、街区内の公共空間の豊かさ、100円ループバスもあって、中心部は歩きやすいまち、という感じをもった。

<東地区土地区画整理事業地区>

  浜松駅北側に広がる地区で、第一地区25.9ha、第2地区27.2haに分かれる。もともと、戦災により全域が焼失し、戦災復興土地区画整理事業区域に編入されながら、未着手のままであったため、改めて土地区画整理事業区域となる。第一地区では官公庁街区(シビックコア地区)やアクト通り(幅員40mのシンボル道路)を中心とする商業業務の形成、都心居住地区、第二地区では大学、小学校、公園を含む教育文化ゾーンを中心とした商・住混合地区の形成を目指す。

1998年2月


2002年5月

<静岡文化芸術大学>

静岡県と浜松市、地元産業界が協力して運営する公設民営方式の四年生大学。2000年月に開学。芸術系の大学らしく、建物の外壁はコンクリートの打ちっぱなしだが、屋根がスリットになっていて、晴れている時は外壁に光と影のストライプの模様が映し出される。流線型の屋上からは市内を一望でき、庭園になっている。ところどころに現代美術作品が配置されている。比較的フラットな床で、ユニバーサルデザインにも配慮されているとか。 ただ、サインが少々わかりづらく、目的地にたどり着けるか、という疑問はあった。

<まちづくりセンター>

 地域のまちづくり活動の振興などを目的とした施設で、まちづくりに関する図書の販売、市のまちづくりやまちづくり活動団体の紹介、研修室などがあり、パソコンの利用や印刷もできる。登録したまちづくり団体(都市計画、福祉、教育、環境など幅広い)は研修室が半額で利用できる。施設内は、市内の小中高校生の作品がちりばめられている。

<浜松こども館>

 市の中心部の鍛冶町(浜松駅の北西)にあるザザシティの6・7階。先日閉鎖した仙田満氏設計の愛知児童総合センター(愛知青少年公園・万博会場予定地)の規模を縮小したような施設で、子どもと親が一緒に遊べるしかけよい。託児スペースでは子どもを3時間まで預けることができ、その間に下層階や周辺で買い物、隣のビルで映画鑑賞、という利用もできる。まちなかにこそあって欲しい施設だろう。 ビルの構成は、東棟が商業施設とこども館、西棟がシネマコンプレックス、両棟とも上部は住宅で、都心居住にも貢献している。


<循環まちバス>

 浜松でもまちなかループバスが走っており、大人が100円、1日乗車券大人200円と格安で利用できる。大学やアクトシティでは、路上から入って玄関前に横付けしたところにバス停がある。バス自体はスウェーデン製のマイクロバスで、社内全体が超低床でフラット、15席(27人乗り)、タクシーのような小回りも見せる赤色のボディーは親しみやすい。

 

  (2002.6.7/浅野 健)