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松本 商店街紀行
 温泉好きな私は、よくふらりと温泉の旅にでかけるのだが、白骨温泉への足かがりに松本市の昔ながらのなまこ壁を使った蔵の町・中町通りを訪ねてみた。器や古道具、民芸クラフトなどを扱う店も個性的なものが多く大変面白い商店街である(全国の民芸を集めた店など、ついハマってしまう)。この商手街は昭和63年よりまちづくり研究会で「中町基本構想」を策定したのち、住民総参加による「まちづくり協定」を締結、まちづくり推進協議会にランクアップさせて、市とともに各整備事業を実施してきた商店街である。蔵を巧く使ったセンスの良い店づくりの一つ一つを見るにつけ、大切に商店街づくりが成されてきたことを伺わせる。
 松本市は中心市街地活性化の手段として、江戸、明治、大正、昭和、現代といったテーマ分けで土地区画整理事業、再開発事業、町並み環境整備事業を進めている。市の中央を流れる女鳥羽川でも、「ふるさとの川整備事業」として河川整備が行われ、現在護岸整備も終了し、松本城の外堀を彷彿とさせる石積み姿に変身した。その沿岸には同時に整備された再開発事業で、町ごと改築された商店街の町並みが並んでいる。今年春に店舗改築は完了したというナワテ商店街も、同時に訪ねてみた。
 このナワテ商店街はもともと露天から発祥した商店街である。庶民的な町並みと道幅が、縁日を歩いているようにも思える。おそらく江戸時代を意識したのであろう真っ新な店舗群は、少々舞台セットのような感はあるものの、整備前の商店街の姿をみると、確かに整備後のほうが面白い。かつてからのシンボル「カエル」をテーマに、親しみのある商店街づくりのために組合もいろいろ努力している様である。
 先日名古屋で産業観光サミットが行われたが、松本市も松本城周辺においての回遊性づくりを進めているようである。蔵の町並みが残された中町商店街、時代がかった露天の姿を再現したナワテ商店街。観光を意識した松本の商店街めぐりはなかなか面白い。
街のテーマを明確にしながら、今松本市では開発ラッシュである。松本には今年2度訪れたが、行くたび街が変化している、今後どの様に街全体のイメージが仕上がっていくのか楽しみである。そろそろスキーの季節であるし・・、近い内に再び訪れてみたいと思わせる街である。



   (2001.11.27/山内豊佳)