|  京都の亀岡市を舞台にした、市街化区域内農地を活用した土地区画整理事業の勉強会。JA亀岡市にて、説明を受けた後現地視察、最後に京都弥生会館にて意見交換会を行った。  区画整理について、ほとんど知識のない参加であり、話を理解するのにもひと苦労であったが、困難な状況を、みんなで腕を組んで乗り越えた事例であるということはよくわかった。 ●説明 都市農地活用支援センター 
          研修会の主催者である都市農地活用支援センターは、建設省、国土庁及び農林水産省の許可を得て、平成3年10月に設立された公益法人で、良好な住環境を有する住宅地の形成と優良な賃貸住宅建設等を促進するための調査研究、普及啓発、相談等を行っている。 亀岡市 
          京都駅からバスで、西に約1時間走ると亀岡市に着く。足利尊氏が京都に攻め入る時の旗揚げの地といわれる歴史ある町で、「京の奥座敷」と言われる。京阪神からの距離が近く、ベッドタウン化していることなどの影響で、今なお人口増を続けている。 亀岡市における土地区画整理事業についての説明(亀岡市 都市建設部 都市整備課 古林峰夫さん) 
          京都府は戦災に遭わなかったので、区画整理が遅れている。亀岡市も例外ではなく、接道していない市街化農地が多い。また、非市街化区域でも乱開発が進んでいる。市街化農地では道路沿いの土地から売れていってしまって、真ん中に取り残された農地の所有者が困っている状況がある。相続が発生すると、大変な額の税金となるが、道路がないため売るにも売れず、物納もできない。そうした現状を打ち破るためには、農家が協力して道路をつけたり、土地区画整理事業など面整備をすることが必要となる。そこで、亀岡市では面整備に本腰を入れることになった。 平成6年に「亀岡市 市街地整備プログラム」を策定したのは、緑住の補助を得るため。 組合施行の準備段階から行政がかかわっているのが特徴。土地活用の段階では、ノウハウのあるJAが力量を発揮する。 複数の地権者で協力してやっているところは、うまくいっているところが多い。 JA亀岡市管内「土地区画整理事業」の事業概要説明(JA亀岡市 開発課 大西健造さん) 
          地権者、JA、行政の3者が一体にならないと事業が進展しない。 行政参画の意義は、許認可の手続きが迅速に進むこと(精通しているため)、補助金に関するアドバイスが受けられることなど。 JAは、土地問題に関しては、初めは土地売却益を貯金してもらうという関わりだったが、次第に、土地を売却するのではなく、所有したままでの活用の流れがでてきたので、土地活用にも関わるようになった。 ●現地見学 
            
              | 4.4haを地権者36名で組織する土地区画整理組合が事業を施工中。工業系の土地利用を考えており、工場、配送センター等の用地としての売却、賃貸をすることになっている。目的換地をしている。 生産緑地も区域内にあり、農地を集約して換地している。  (「亀岡市における土地区画整理の取組み」より) |  
          売却分の用地はすべて売れ、賃貸については手配中。 地区の西端に、藪を造成して造られた「大藪公園」がある。中央に水路が流れるこぎれいな小公園で、ここを気に入ったことが理由のひとつとなって土地を購入した企業もあるという話。 
 
            
              | 6.0haを組合施工で区画整理したあと、目的換地により売却及び賃貸にわけて土地利用を行った。農地も1枚残っている。 賃貸の1.2haについては、地権者8名で有限会社をつくり、建設協力金方式で4社に建物賃貸している。 売却地については、2〜3人をブロックにまとめることで、大きな間口と面積を確保した。 (「亀岡市における土地区画整理の取組み」より) |  
          東部に位置する賃貸ブロックでは、地権者同士で有限会社をつくり、建物を建設して貸している。 ●意見交換会〈主なもの〉 Q 保留地処分はどのように行ったか。 亀岡市  土地活用はJAに任せている。保留地処分を、行政だけで面倒をみるのは無理。 
         JA亀岡  看板を立てる、銀行を回るなど、地道な努力の積み重ねで企業を探している。 
         Q 亀岡市では、企業が決定する前に事業決定したということだが、どの企業が来るということが、事前にある程度わかっていたのか。 亀岡市  区画整理は一種の賭けであり、企業が来てくれるがどうかは、やってみないとわからない。よく、売れない分は、行政で面倒を見ればよいなどと言われるが、そう簡単に買えるものではない。  
        
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