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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)  □[第410号]2016/3/29□  □配信数 731□


スペーシア・メールマガジンの第410号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆図書紹介◆
 ・アイム・ミニマリスト
 ・白熱講義 これからの日本に都市計画は必要です
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○「アイム・ミニマリスト」/YADOKARI 著○
 三栄書房/2015年12月1日発行

 2010年に「断捨離」が流行語大賞候補に選ばれ、「人生がときめく片づけの魔法」や
「フランス人は10着しか服を持たない」という書籍はベストセラーとなり、モノを持たない
ことが見直されている。また、モノを極力持たずに暮らす「ミニマリスト」と呼ばれる人々も
現れている。ワンルームマンションに住んで、家具もほとんど置かずに暮らしている人を
ミニマリストだと認識している人も多くいるのではないだろうか。そんな方には、是非本著を
手にとっていただきたい。
 本著は、豊かな暮らしを提案するWEBサイト「未来住まい方会議」の運営会社である
YADOKARIが、日本国内で「小さな暮らし」を実践している人々に行った取材結果が
まとめられている。家族4人で田舎の35uのタイニーハウスに移住した人や、理想の
家づくりのために女性1人で増築工事をしながら自給自足に近い生活をしている人などの
「小さな暮らし」が紹介され、どれも個性的で、新しく、魅力的であった。「モノを極力持たない
・ミニマリスト」という言葉から連想される禁欲的なイメージはなく、「もっと自然豊かな場所で
暮らしたい」、「家族と過ごす時間を増やしたい」など、各々が望む暮らしを楽しみながら
手に入れている「小さな暮らし」であり、未来の住まい方であるからこそ魅力的であるように思う。
 物質的な豊かさや画一的な豊かさに捉われることなく、自分自身が望む暮らしや豊かさを
改めて見つめ直し、「暮らしを小さく再編集」してみたいと思う。
(山崎 崇) 
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○白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか/ ○
 著者:簑原敬、饗庭伸、姥浦道生、中島直人、野澤千絵、日埜直彦、藤村龍至、村上暁信著
 /学芸出版社/2014年6月1日

 「これからの日本に都市計画は必要ですか?」と問いかけてくる。普段からまちづくりに
携わる人間として、私はこの挑戦的なタイトルを目にした時に大きな関心を持った。
 本著は日本の都市計画家である蓑原敬氏を中心として、饗庭伸氏をはじめ7名の若手
プランナーを交え日本の都市計画のあり方についてディスカッションするというものである。
構成は大きく二部構成となっている。前半は蓑原氏が講師となり、海外の都市計画の歴史を
紹介するとともに、比較して日本の都市計画の取組みへの反省点を踏まえ、今後取り組む
べく課題を整理する「講義編」。設計主義に偏ったり、住宅問題や安全問題など社会全体の
問題を横断的に引き受けてこなかったり、などと多くの日本の都市計画の問題点が洗い
出される。また、本書のディスカッションが数日に分けて実施される途中で、東日本大震災が
起こったことで、日本を取り巻くエネルギー問題や自然との共生などに呼応した日本の
居住環境のあり方が今まで先延ばしにされ議論されてこなかった、ということにまで話は
およぶことになる。後半では、前半の講義で表出してきた内容を踏まえ、若手メンバーが
それぞれ問題提起しディスカッションが行われる「演習編」となる。
 本書の目的は解答を結論付けることではない。若手メンバーが提起した問題はいずれも
明確な正解が導き出されるわけではない。しかし、今まで積み重なってきた都市計画の
歴史を丁寧に紐解くことで、日本の都市計画が直面する課題を論理的に導き出している
話には説得力があるし、饗庭氏をはじめ、普段から街づくりに関わり第一線で活躍している
若手メンバーが「今気になっている問題」として提示する「都市計画にマスタープランは
必要ですか?」や「コンパクトシティは暮らしやすい街になりますか?」などの問いかけは、
既存のシステムを批判する内容も含まれており刺激的で、同時に考えさせられる。
 また「講義編」の中で、日本と海外のそれぞれの都市計画に関する著書が数多く登場
してくるが、それぞれがどんな時代背景で登場してきたのかなどの特徴が、蓑原氏によって
簡潔に分かりやすく解説されており、体系的に理解する上で非常に参考になるだろう。
本書はグローバルな視点で都市計画の歴史を振り返るための参考書のような役割も
果たすし、若手プランナーの斬新なアイデアに触れることもできる1冊となっている。
(大河原 章介)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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