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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第40号]2002/1/14
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 スペーシア・メールマガジンの第40号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆名古屋まちづくり情報◆ 
   ・旧井桁屋を考える会 −愛知県西尾市−
  ◆図書紹介◆
   ・建てどき/藤原和博著
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○ 旧井桁屋を考える会 ○ −愛知県西尾市−
 
 愛知県西尾市は、名古屋から名鉄電車で約1時間ほどのところにある、抹茶の生産量が
全国一のまちである。江戸時代には松平6万石の城下町としてにぎわい、現在でもその名
残が残っていて西三河南部の小京都といわれている。
 井桁屋は江戸時代から続いた地元の呉服屋が開いた百貨店で、1924(大正14)年頃に西尾
ではじめて屋上庭園のある鉄筋コンクリート造3階の建物を完成させた。建物はルネサン
ス様式を基調として屋上には2階分程度の塔屋がついており、西尾の城下町を象徴するシ
ンボルであったことが想像できる。その後、戦時下の物資統制により閉店し、戦後一時的
に営業したものの、再び閉店して現在に至っている。
 この建物は2002(平成14)年に、前面道路の拡幅工事に伴って取り壊すか、市が所有者か
ら寄贈を受けて保存するかが迫られている。市の方針は未定で、市民を交えた検討委員会
設立の準備を進めている段階である。
 旧井桁屋を考える会は、「将来の納税者である私たちに必要か否かで保存するかどうか
を決めたい」と思う地元の大学生や高校生らが2001(平成13)年4月に結成した。旧井桁屋
の保存の是非を巡って保存を前提にせず市民レベルでの議論の盛り上がりを図るため、こ
れまでにフリーマーケット、コンサートをなどのイベントを行なったり、建物の保存に関
する専門家の招聘や会の運営や建物の光熱費などに充てるための募金活動も行なってきて
いる。同年6月には元X・JAPANのToshiさんもかけつけてライブを行なった。

 暮れもおしせまった日曜日に、フリーマーケットの開催に併せて井桁屋に訪れたが、周
辺の商店街は人通りが少なく、フリーマーケットの出店数も少なかったこともあってか、
残念ながら集客にはあまり結びついていない感があった。2階以上は老朽化が進んでいる
ため、イベントなどでは1階しか使っていないが、メンバーの方にお願いして屋上まで案
内してもらった。屋上からの見晴らしはよく、高層の建物が周辺に少ないことからかなり
遠くまで見渡せた。空き店舗が目立つ地方都市の中心部の商店街で、個人所有の建物で半
世紀も遊休化されたままよくぞ残ってきたというのが実感である。
 この建物を保存する場合は、建物の改修費と建物を移動させるための費用で2、3億
円、改修後の維持管理費で2、3千万円かかるという(ホームページより)。また、所有
者もこの遊休化した建物の固定資産税を支払い続けなければならいという問題もある。中
心部のシンボルである旧井桁屋が将来も残るためには、建物の改修や運営・活用方法な
ど、行政、市民双方で議論されなければならないことが山ほどある。また、考える会では
あまり議論されていないようだが、道路の拡幅そのものがまちにとって必要かどうかも議
論する必要があるのかもしれない。あと1年余りで結論を出さねばならないが、保存・活
用できるか取り壊しになるかにしろ、10代のメンバーを中心とするこの取り組みは興味深
いものがある。 (浅野 健)

 →「旧井桁屋を考える会」のホームページ
  http://www.0563.net/igeta

 →ホームページに写真を掲載しています
  http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/igetaya/igetaya.htm

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 ◆図書紹介◆−まちづくりに参考になるものを紹介−  
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○ 建てどき/藤原和博著、情報センター出版局、2001.4.8 ○

 「45歳を過ぎたら建ててはいけない」との帯の文句に、あせりと疑問を感じて読んでみ
た。その意味は、家づくりというものは大変な作業であり、エネルギーがあるうちじゃな
きゃできないという。
 なるほど、この書に書かれていることを読むと、多くの決断をせまられるのが家づくり
だということがわかっている。家族と意見があわなかったり、工事でもめごとがあったり
と、自分の選択を悔やんだり、片手間でやれることではなさそうだ。仕事に追われる毎日
を送っている私にそんなことができるだろうか…。

 とはいえ、おもしろそうなことも多数書かれている。実体験に基づく話しだけにリアリ
ティがある。それに加えて、この家づくりのために徹底的に本で勉強したというだけあ
り、豊富な知識に裏づけられている。
 最初は、タイトルだけで読み始めた本だったのだが、内容に引き込まれ、ここでも紹介
してみようと思った次第。「家づくりは「生きざま」をも問うてくる」という指摘は考え
させられる。元気なうちに家づくりを体験したいと思わせる本である。 (石田富男)

→ホームページに表紙の画像を掲載しています。
 http://www.spacia.co.jp/Mati/tosyo/tatedoki.htm

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 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−mm@spacia.co.jp へ
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今年の「ラブダバ」は「名古屋の都心考」を特集とした興味深い内容で、
一気に読ませていただきました。
 まだ訪れていない「さくらアパートメント」や「ノリタケの森」などにも、是
非出かけたくなりました。これも「情報」の力だと思います。
 さて、「名古屋の都心居住」については、2001年11月15日(木)に開催さ
れた愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会公開シンポジウム「名古
屋圏の都市居住を考える」でも大いに議論されたところですが、今号の
「ラブダバ」でも、次の2点について興味深い指摘がされていました。

1)中区で、15〜29歳の層が人口の増加要因になっていること[愛知県人
 口動向調査]
2)愛知県民への調査で、名古屋の都心部への居住意向について、4割
 が「住んでみたい」、6割が「住みたくない」と答えており、都心居住選好
 率が意外と少なかったこと[インターネットによる都市基盤整備公団委
 託調査]

 この2点について、少しコメントさせていただけば、 
 1)については、若年単身世帯が増加していて、彼らは都心居住の選好
  度が高いということが大きく影響していると考えられます。
  また、高度成長期の若者は、地方から大都市へ就職してくるものが多
  く、彼らにとって、郊外へ住むことは、ある種のJターン(田舎→都心→
  郊外)だったが、現在の若者は、多くが、都市で生まれて都市に就職
  しており、都市的な生活から郊外の生活へ移行することに対する抵抗
  が大きく、都市に住み続けようとする傾向が強いということが考えられ
  ます。  
 2)について、愛知県全体から見ると、名古屋の都心が非日常的空間と
  して捉えられているのではないか、と分析をしておられます。この点に
  ついては「情報の不完全性」ということがあり、一般の住民にとって居
  住地を選択するのに必要な一定量の情報は、現在の居住地の周辺
  程度についてしか持っていないため、居住地選択に地域的な制約が
  あると考えられます。(アダムスのメンタルマップ)

 勿論、都心居住の増加要因としては地価下落などの要素が大きく作用
しているわけですが、スペーシア・メールマガジンでも、このことについて、
様々な意見が寄せられることを期待しております。

大城純男(名古屋市役所)
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→ていねいなご感想、ありがとうございます。興味をもっていただいて書いたものの
 励みになります。ラバダブでの分析はまだまだ不十分だと思っていますが、都心
 回帰の動向は興味深いテーマであり、今後も注目していきたいと考えています。
 (石田)

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・2002年の最初の号となります。今年もよろしくお願いします。ラバダブ5号はみていた
 だけましたでしょうか。今回の特集は「名古屋の都心考」。ホームページにも掲載し
 ています。
 http://www.spacia.co.jp/rubadub/2002/index.htm
 「読者の声」でも感想をよせていただきましたが、このほかにも、ラダバブの記事に
 ついてご感想を頂いています。年末の時期に作成するのは容易ではありませんが、
 スペーシアの活動記録としても継続していきたいと考えています。

・ホームページを立ち上げてからまる4年が経過しました。最初はとにかく設置すること
 に意義を見いだしてきたHPも徐々に情報量が増え、充実してきたのではないかと考
 えています。次は、いかに見やすく、使いやすくしていくか。
 また、メールマガジンについても、なんとか定期発行はすることができましたが、次の
 展開を考えなければいけない時期にきていると考えています。いろいろ模索してみ
 たいと思いますが、どうなることやら。

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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
 ジンに掲載させていただきます。
   メールマガジン投稿用アドレス mm@spacia.co.jp
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
   http://www.spacia.co.jp/mm/index.htm
◎今後の配信を希望されない場合は、このまま返信して下さい。
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(株)都市研究所スペーシア  編集:石田
 〒460-0034 名古屋市中区栄5-16-14 新東陽ビル5F
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   URL    http://www.spacia.co.jp/
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