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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第305号]2012/3/12□    □配信数 798□

スペーシア・メールマガジンの第305号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆まちのトピック◆
 ・登録文化財建造物保存・活用シンポジウム
 ◆名古屋まちづくり情報◆
 ・岡崎信用金庫資料館
 ◆図書紹介◆
 ・地域を変えるデザイン コミュニティが元気になる30のアイデア/監修 筧裕介
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆
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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○登録文化財建造物保存・活用シンポジウム○

 このシンポジウムは、登録文化財建造物を所有されておられる方々(個人・法人とも)や、
幅広く文化財建造物に関心のある方々を対象に、文化財建造物の保存・活用の方策や
知恵を考える場として、また、専門的あるいは事例的情報を提供する場として企画いたし
ました。ぜひ、ご参加ください。

■と き:平成24年3月29日(木) 午後2時〜5時
■ところ:栄ガスビル401会議室(名古屋市中区栄三丁目15-33)
■プログラム
 1.平成23年度事業の取組み報告
    愛知登文会事務局
 2.関西事例報告 阿倍野長屋
    所有者・大阪登文会事務局長  寺西興一氏
 3.関東事例報告 NPO法人たいとう歴史都市研究会
    副理事長 椎原晶子氏
 4.ディスカッション
  コーディネーター 
   小栗 宏次氏 /小栗家住宅所有者
  パネリスト
   寺西 興一氏 /前掲
   椎原 晶子氏 /前掲
   長谷川良夫氏 /愛知登文会会長
   牧  謙治氏 /愛知県教育委員会文化財保護室

主催/愛知県国登録有形文化財建造物所有者の会(略称:愛知登文会)
〒461-0025 名古屋市東区徳川一丁目10番3号 (財)名古屋陶磁器会館内
 TEL 052-935-7841  FAX 052-935-9592

申込:「お名前」「ご住所・連絡先」法人の場合は「企業名・部署」
   「会員種別(正会員・特別会員・賛助会員・非会員)」
   を明記の上、FAX052-935-9592(愛知登文会)まで
申込締切:3月26日(月)

〜スペーシア・喜田〜

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◆名古屋まちづくり情報◆ −名古屋から情報発信−
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○岡崎信用金庫資料館○

 先日、旧岡崎信用金庫の資料館を訪れた。当地における近代建築の第一人者であった
鈴木禎次氏が設計した建物である。鈴木禎二氏は、東京駅など国家を飾る代表的な
建物を数多く設計した辰野金吾氏を師と仰ぎ、名古屋工業大学建築学科の創成期の
教育を支えた人である。2008(平成20)年3月に国の登録文化財となった。
 外観は、レンガ造と地元の御影石を組み合わせたルネッサンス風の重厚な洋風建築で
あり、1917(大正6)年に旧岡崎銀行本店として設立された。1945(昭和20)年に空襲を受けた
際、建物の内部は焼失したが、外郭は奇跡的に残った。戦後になって、岡崎商工会議所が
土地・建物を取得し、建物内部を木造、1階部分を執務空間、2階部分を会議室として
使用された。
 その後、建物が老朽化し、規模も手狭になったことから、会議所が移転し、建物は
取り壊される運命にあったが、地域から保存の声が上がり、地元の岡崎信用金庫が
土地・建物を取得した。外観は創建当時の屋根を模して復元され、建物内部に鉄筋
コンクリート造の資料館を新たに造り、1982(昭和57)年に開館した。
 館内は無料公開しており、1階には「市民ギャラリー」を設け、地域の人々がアートの
発表の場などに活用されている。音響もよいためコンサートの会場にもたびたび使われる
という。私が訪れた際は、絵画、写真、手工芸などの作品展が行われていた。2階は、
貨幣にまつわる様々な展示がされ、お金に関する歴史や現在使われているお札の製造
工程・偽造防止の技術を学ぶことができ、地元小中学生の社会見学も受け入れている。
 岡崎市中心部の「二十七曲り」と呼ばれる旧東海道沿いのシンボル的な建物であり、
企業が地域に開放する施設の好例と言える。気軽に中に入れる施設なので、岡崎を
訪れた際に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(浅野健)

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Nagoya/arekore/2012/okazakisiryoukan/

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○地域を変えるデザイン コミュニティが元気になる30のアイデア/監修 筧裕介○
 英知出版/2011.11

 複雑なソーシャルイシュー(社会的課題)を解決するために考え出されて、地域で実践
されている、幸せになれるデザイン事例が多数紹介されています。デザインというと、
モノ単体のデザインを思い浮かべる人が多いと思いますが、この本では、「コト」という
ソフトのデザインを指しています。たとえモノであったとしてもその生産から消費まで
サイクルやそのサイクルが影響を及ぼす範囲までを含めた「コト」、いうなれば地域や
社会のしくみのデザインを指しています。
  ・衰退する地域を観光や地場産業などで活性化するためのデザイン
  ・廃油回収や新エネルギー発電など環境に優しい社会となるためのデザイン
  ・震災復興や教育など地域のコミュニケーションを促すデザイン
 など30の事例が「直感的・身体的」に分かりやすく紹介され、著者が言うように、「過去に
経験したことがないほど複雑で難解なイシューがあふれて」いて「複雑に絡み合い、問題の
本質が覆い隠され」ている今の日本社会においては、明るい未来をともに築いていく
勇気や知恵を感じられるものばかりです。著者はそのような「地域を変えるデザイン」を
こう定義しています。「問題の本質を一挙に捉え、そこに調和と秩序をもたらす行為」
「美と共感で多くの人の心に訴え、行動を喚起し、社会に幸せなムーブメントを起こす行為」と。
まさに「幸せ」とは何かが問われている今、ひとつの解を指し示してくれていると思います。
そして、そのような事例を通して、今後は、地域を変えるデザインをプロだけでなく市民
自身が考えて具現化する、それも個人ではなくコミュニティが主体となっていくことが重要で
あるとの方向性を示しています。1人ひとりの考え方と行動が地域を変える鍵なのだという
ことだと思います。まちづくりでは、市民参加が取り入れられて久しく、今では様々な立場の
人たちが自分たちの街や地域を自分たちの手でつくっていくことが求められている時代に
なっています。この本はそのためにも大いに役立つ一冊であると思います。
(櫻井高志)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・東日本大震災から1年経ち、週末は各地で追悼の催しが行われていました。
 この大震災の経験に学び、当地域のまちづくりにおいても防災のウェイトが高まって
 きたと感じています。

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◎ホームページでは一方的な情報提供に終わってしまいますが、このメールマガジン
  を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成できれ
  ばと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガジンに掲
  載させていただきます。(このメールへの返信でお願いします)
◎バックナンバーはホームページに公開しています。
   http://www.spacia.co.jp/mm/
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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
  〒460-0008 名古屋市中区栄5-1-32 久屋ワイエスビル8階
   TEL 052-242-3262 FAX 052-242-3261
   URL http://www.spacia.co.jp/
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