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 ◆  ■   ■  ■  ■  ■ ■  ■  □[第134号]2005/8/22
◆   ■  ■  ■■  ◆ ■ ■  ■■ □−−配信数 678−−□

 スペーシア・メールマガジンの第134号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆まちのトピック◆
   ・女子大生からみた「好きな場所」と「嫌いな場所」
  ◆図書紹介◆
   ・日本人の住まい方を愛しなさい/山口昌伴 著 
  ◆読者の声◆  
  ◆スペーシアのこの頃◆ 

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 ◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○ 女子大生からみた「好きな場所」と「嫌いな場所」 ○

 現在、某女子大学で週一コマの講義(3年生を中心)を行っている。聴講型の授業では
受け身になりがちなので、自らカメラを持って街に出て、「好きな場所」と「嫌いな場
所」を撮影、発表、最後にレポートとしてまとめる講義を取り入れている。
 そのレポートを見ていると端的な傾向が読みとれる。

 「好きな場所」は「緑」「花」であり、それも管理された「緑」「花」であることだ。
具体的には樹木の多い公園、連続した生け垣のある住宅地、街路樹が連続する道路や河
川、花畑などがそれである。風景として森林や里山の緑はこの範疇に入ってこない。なか
でも栄にある「オアシス21」の公園部分の評判が良く、芝生があって、陰のない(鬱蒼
と繁茂していない)樹木という緑への評価である。

 他方、「嫌いな場所」は「混乱」と「不安」を抱かせる場所である。代表的なシーンは
名古屋都心の歩道に乱雑かつ大量に置かれた放置自転車群や近郊都市の駅前にある大規模
駐輪場の溢れる自転車群、飲食店街の違法駐車や過剰な看板類が前者で、人通りの少ない
陰鬱な通りや雑草の生えた空き地、ゴミが溜まった人々の無関心な空間などが後者であ
る。精神的にも肉体的にも安心感のない場所は敬遠されている。

 都市において安心安全な空間をつくりだしていくことは増々重要となる。例えば、女性
が今以上に社会進出していくことは疑いない。ストレスが溜まって酒で憂さを晴らす機会
も増えるであろう。が、飲食街は男性的空間であり、女性一人で飲みに行くには不安感一
杯である。とはいうものの、安心安全を追究していくと、五十嵐太郎が書いた「過防備都
市」の世界、あるいは映画「アイランド」の世界となり、徹底した監視下(街頭の監視カ
メラやNシステムなど)で生活を送らざるを得なくなる。
 「不安」と「安心」、「混乱」と「秩序」は緊張感のあるバランス問題であり、気を抜
くとどちらか一方に偏向してしまう。双方があってこそ、片方を批評できる。
 安心安全のための社会システム(衆人環視を含めて)はある程度必要かも知れないが、
危険を危険と感じる本能、混乱から脱出できる本能を高める、いわば野生性を研いでいか
なければならないのではないか?
 でも、それってどんな都市(空間)?課題は山積である。(井澤知旦)

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 ◆図書紹介ト◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−  
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○ 日本人の住まい方を愛しなさい/山口昌伴 著 ○

 「日本人の住まい方を愛しなさい」というタイトルには、世界各国の住まい方や土間が
あった頃の日本の住まい方と比較して、住まい方や生き方を愛していない現代の日本人を
指摘し、「ここ100年がかりで、奇妙な欧米型を創出してきたが、もうそろそろ日本人の
身の丈に合った、日本型を追求すべきではないか」という想いがこめられている。いくつ
か指摘されている問題のうち2つを紹介したい。
 1つは1人1日あたり200リットルにもなるという生活排水の量の多さである。水道管を
分岐し台所流しの上にも蛇口がつくようになり、水を溜めて使うのではなく流して使うよ
うになり、結果として水質の悪化や水不足の問題を引き起こすことになったのである。
 もうひとつは包装ゴミや生ゴミの問題である。以前なら工夫して調理されていた大根の
葉や牛蒡の皮が調理クズとして捨てられている。さらには手付かずの食品が生ゴミとして
捨てられているという調査結果もある。その元凶を冷蔵庫への誤解と考え、「今どきの仕
舞い込み用冷蔵倉庫は、すぐ食べれば新鮮で美味しい食品を、古びさせ、マズくしてから
食べる器械、になっている」と述べている。
 また、これらの問題を放置した場合の結果をSF風に想像したことが以下のように述べて
られている。食料自給率の回復のため食料をゴミにする冷蔵庫は禁止された。水道水の使
用を制限するため流しの上などに蛇口を設置することが禁止され、当然、水洗便所も禁止
された。冷蔵庫メーカーはオマルの中の便を急速冷凍脱水しフリーズドライ便にする技術
を開発して活路を拓いた。フリーズドライ便は、当初燃えるゴミとして放棄されていた
が、その後食品として再利用されることになった。
 能率、便利、合理などを求めていたために失ってしまった住まい方、追求すべき日本型
台所、住まい方について考えさせられる一冊であると思う。 (山崎 崇)

 →ホームページに表紙の画像を掲載しています。
  http://www.spacia.co.jp/Mati/tosyo/nihon1.htm

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 ◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介− info@spacia.co.jpへ
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 (みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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 ◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・本日よりインターンの学生が来ることになりました。1人2週間(10日間)で、3人の
 学生が順番にやってきます。

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 を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
 できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
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(株)都市研究所スペーシア  編集:石田
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