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日本唯一の飛び地の村「北山村」

 先日、社員旅行の一環でラフティング体験を行うため和歌山県北山村を訪れた。ラフティングとは、8人乗りの専用のゴムボートに乗りこみ、ガイドの指示にあわせて参加者全員で漕いで急流を下るレジャースポーツである。北山川の急流を下るときのスリル、参加者の息をあわせて難所を攻略できたときの一体感、緩やかな流れのところではライフジャケットに身を任せて浮かびながら渓谷の自然を眺めたりと、密度の濃い約2時間のプログラムでおすすめである。
 また、北山村はまちづくりの成功事例として取り上げられており、一度訪れてみたかった場所でもあった。北山村は、三重県・奈良県・和歌山県の県境の周辺に位置し、和歌山県でありながら村全体が接するのが三重県と奈良県であるという飛び地の村であり、村全体が飛び地になっているのは北山村のみだそうだ。林業が盛んで、筏流しによって木材を下流の和歌山県新宮市に運んでいたため、明治の廃藩置県の際に和歌山県に加わることを選択したために飛び地になった(平成の大合併の際も、合併協議を進めたが、村民投票により飛び地の村として生きることを選択したそうだ)。ダムや道路の整備により、昭和38年に筏流しは終了したが、昭和54年に観光用筏下りとして復活させ、大人気の観光スポットとなった(平成10年に筏師の後継者育成事業を開始し、若い筏師はオフシーズンには村内山林の間伐や後述のじゃばらの収穫や加工など様々な仕事をしているそうだ)。平成14年にはこの村にしか生育しないとされる柑橘の「じゃばら」製品が年間売上1億円を超えるヒット商品となった(昭和50年から過疎化対策として取り組んできたが、赤字を出し続けるお荷物事業だったそうだ)。平成19年には全国初の地方自治体運営ブログ「村ぶろ」を開始した(初期投資に村の税収の半分をかけ、全国初のキャッチフレーズを得るために構想から半年でプレオープンさせたそうだ)。最近では、村民や観光客が買い物難民になるのを防ぐため平成25年に村営のコンビニエンスストアを開店している。
  北山村の経緯の中でも、括弧書きで記したような、変化や苦難を乗り越えるためのアイデアや努力、日本唯一や全国初への想いなどは、特に興味深く感じた。日程の制約上、半日程度の滞在しかかなわなかったが、過疎化が進む村といった雰囲気を感じることはなく、豊かな自然を積極的に活用して観光客を受け入れている観光立村であることが感じられ、ぜひまた訪れたいと思う。

○北山村 観光サイト
http://kankou.vill.kitayama.wakayama.jp/
○和歌山県総合情報誌「和」による紹介
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/000200/nagomi/web/nagomi04/travel/index.html
○アドベンチャークラブケイズ(ラフティング体験)
http://www.a-keizu.com/


北山川(ラフティングと観光筏下りの出発地点)


ラフティングの様子
(2014.7.7/山崎 崇)