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岐阜県美濃加茂市 中山道太田宿を訪れて

 業務の関係で岐阜県美濃加茂市を訪れた。
 美濃加茂市へは、名古屋駅から鉄道を利用し約1時間でアクセスでき、市の玄関口となるJR美濃太田駅はJR高山本線と太多線、長良川鉄道の越美南線の3路線が乗り入れ、高山方面への乗り継ぎポイントになる。
 美濃太田駅から駅前商店街を南へ徒歩10分ほどの距離に、中山道六十九次の五十一番目の宿場にあたる太田宿がある。太田宿は、木曽川沿いに東西約680mに亘り延び、通りには当時の面影を残した建物が数軒現存する。その中には、旧太田脇本陣林家住宅(国重要文化財)、吉田家住宅主屋(旧小松屋・国登録有形文化財)や本陣門(市指定有形文化財)といった重要な文化財が残る他、当時の酒蔵を残した造り酒屋、飲食店や休憩所で利用されている建物も数軒ある。また、宿場について学ぶことができる江戸の町並みを再現した展示室を備えた中山道会館が整備されている。
 通りを散策すると、建物ごとで見れば特徴的な家屋から当時の宿場情緒を感じることができるが、この地域の中山道宿場町で一大観光地となった妻籠宿や馬籠宿と比較すると、建物数は少なく、また点在し連続性に欠ける等、観光資源としての魅力はやや弱い印象。
 訪れた日が平日ということもあり、散策する人の姿はみえなかったが、美濃太田駅の駅舎に開設されている観光案内センターのスタッフは、太田宿目的の観光客はそれほど多くはないが、それでも高山観光へ向かう途中、JRの乗り継ぎ時間の合間に下車して散策へ向かう人もいるといい、そうした機会も活かしながらPRしていきたいと語っていた。鉄道、車によるアクセスも比較的いい条件にあることから、現存施設の活用やソフト事業による充実を図り観光資源として強化されることに期待したい。
  美濃加茂市内には、太田宿より北に日本昭和村が立地するが、江戸と昭和の2つの時代の風情に触れられる貴重なエリアとして訪れてみるのもよい。


飲食店利用された建物

吉田家住宅主屋(国登録有形文化財)
(2017.8.16/村井亮治)