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駄知「窯風の里」交遊フェア〜隠れた地域の旧カクサ別荘のライトアップ〜

 このイベントは、過去にメールマガジンや社外報ラバダブで紹介したことがある、美濃焼産地の岐阜県土岐市駄知(だち)町におけるまちづくりの取り組みである。
  駄知町では、陶磁器産業事業者、小売業者等がまちづくり委員会を組織し、若手が積極的にまちづくりに関わながら、地域資源の発掘、資源を活用したマップづくり、どんぶり料理の提案、瓦版の発行など、様々な活動を展開してきている。 その取り組みの中で、戦前に駄知町の陶磁器産業を牽引した企業「カクサ」の旧別荘が町内にあることを知り、2009年6月にはNPO法人歴史文化建造物等保存会・トラスト岐阜(岐阜市)の協力により現地調査を実施し、木造の別荘風の建物や広大な日本庭園など、その歴史的価値をメンバーが再確認したところである。同年11月には、地元メンバーが庭に水を張り、機材を募って晩秋の庭で紅葉をライトアップし、地域の人々にお披露目をした。
 そして、そのライトアップから一年後の2010年11月12・13日に、駄知「窯風の里」交遊フェアが開催された。私は2日目の13日に参加したが、 庭に面する部屋を中心に畳の模様替えをし、清掃もされて小奇麗になっていた。別荘内ではお茶席、旧カクサ別荘にまつわる歴史の紹介がされていた。またこの日は中国の伝統的な弦楽器である二胡の演奏が行われ、訪れた地域の人々はその音色に聞き入っていた。昨年はライトアップと飲食、今回はこれらに加えて屋外での演奏や茶席も行うなどパワーアップし、「旧カクサ別荘」の美しさを地域の人々に知らしめることができたのではないかと思う。それは、訪れた人々から「こんなところがあるなんて知らなかった」と驚きの声があがったことからもうかがい知れた。この「旧カクサ別荘」の保存活用に向けては相続の問題、改修費など様々な問題があろうが、ぜひ活用されることを期待したい。
  駄知町では20〜40代の若手が元気で、ここ1年の間でも新たなメンバーが加わってまちづくりに取り組んでいるという。 旧カクサ別荘の取り組みだけでなく、その他の取り組みについても、今後も注目していきたいと思う。

旧カクサ別荘でのライトアップと二胡の演奏
旧カクサ別荘の庭のライトアップと二胡の演奏
旧カクサ別荘と庭
庭園の奥にある木造平屋の建物
(2010.12.6/浅野 健)