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オープンカフェその後

 最近オープンカフェに係わることが二つ。一つは札幌のオープンカフェ恒常化 社会実験(地方の元気再生事業)にかかわって、名古屋の久屋大通における オープンカフェの取り組みについて大通地区まちづくり協議会など実施関係者と 意見交換を行ったことである。もう一つは名古屋都市再開発研究会の活動の一環で ストック活用委員会を設けて、歩道に限らず、また栄地区に限らず、都心の公共 空間や公共的空間(公開空地等)、あるいはセットバックした民地をオープン カフェに限らず、イベント空間やアート空間、環境空間として活用することの 提案を検討中であるが、名駅地区でも関心が高まっていることである。

1.栄地区での展開
 前者について。名古屋は歩道上でのオープンカフェ(公共休憩施設)は全国初で あったが、その後各地で社会実験を実施するなかで、横浜(日本大通り)や神戸 (三宮中央通り)が飲食サービスの提供を始めていったので、先端的な取り組みが 後退した感じとなった。しかし、現在の名古屋(久屋大通)では、飲食サービスは できないが(店からの配達行為ならOK)、365日の実施を可能としたことは 先端性を有している。  名古屋の現状では飲食店の前に限らず、飲食等のビルやファッション系店舗の 前に設置されている。これらは一つにビルや店舗前に乱雑な景観を形成する自転車が おかれるため、それを排除して良好な景観を確保したり、コミュニケーションの場を 店先で確保したりという、飲食サービスと異なる利用で、エリアの付加価値を高める ために活用されている。これは今後の公共空間等の活用を考えるにあたって参考と なる視点である。  ただし、設置個所がなかなか増えていかないことは課題である。費用負担の 問題よりも、オープンカフェ設備の搬出入にマンパワーがいることのほうが普及しない 大きな理由となっている。もう一つの課題は、オープンカフェの管理運営体制であり、 オープンカフェ推進協議会が主体となっているが、毎月1回の許可や届出の手続き、 保険の手続き等でもマンパワーが必要であり、現状は社会貢献的事務局による運営で 対処しているが、オープンカフェ事業の採算を考える時期に来ている。最後に、今後、 栄地区でも名駅地区のように有料自転車置き場が設置されると、オープンカフェ等との 空間的競合が起こることになるので、その調整を行う必要が出てこよう。 全国で今なおオープンカフェの社会実験を実施しているということは、まだオープン カフェが定着していないことを表している。

2.名駅地区での展開
 後者について。栄と異なり名駅地区は歩道にゆとりがない。しかしながら、総合 設計制度上(建築基準法)の公開空地や再開発地区計画制度上(都市再開発法)の 有効空地、都市再生特区上(都市再生特別措置法)のの空地が比較的多くある。また セットバックした空地や敷地内の空地もあり、それらを有効に活用していくことは、 可能である。名駅地区でパラサイトシネマをビルの壁面を使って実施した経験がある。 栄地区の歩道・公園の有効活用とは異なり、名駅地区では公開空地等の活用がテーマに なり、またオープンカフェだけでない多様な活用がテーマになろう。

前者は 札幌大通地区のオープンカフェの社会実験 http://www.sapporoteku2.net/jouhou/03chusin/926105.html#more
後者は パラサイトシネマ
http://www.midland-square.jp/press/pdf/20090319.pdf

(2009.10.25 井澤知旦)