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まちのにぎわいとアート 
−住民とアーティストの協働による牛乳魚プロジェクト進行中−

名古屋市港区築地地区
 名古屋市港区築地地区ではアートポートなどを通じて、まちとアーティストとのつながりが生まれ、アートを軸とした港まちのにぎわいづくりと魅力づくりを目的とするアット・ポート(@port)という組織の立ち上げがすすめられている。 
 この取り組みの最初のきっかけは、港区の魅力づくりとして「ガーデンふ頭界隈にぎわいづくり」があげられ、その方策を検討する場が設立されたことである。賑わいづくりとは何かという議論から始まり、様々な取り組みの方向の1つとしてアートポートのような取り組みを街なかまで拡大し、アートを活用したまちの魅力づくりを図ろうということが打ち出され、その実験的取り組みとして2001年3月に@portというイベントが開催された。当初は住民から「アートはわからない」といった声も聞かれたが、検討会に参加していたアーティストが空き店舗を活用してアートスペース(KIGUTSU)を設置したり、アーティストの協力で商店街にペットボトルツリーを設置するなど、アートと地域のつながりが徐々に生まれてきた。
 2002年10月にはISEA(電子芸術国際会議2002名古屋)の開催に合わせ、@port02というアートプロジェクトも開催された。この時には、港橋広場公園に多数の湯おけを並べる「Are you OK?」というアートプロジェクトも行われた。このプロジェクトでは、住民から風呂桶を提供してもらう(実際はAre you OKのロゴの入った風呂桶と交換)ことによって、住民がアートに関わることが意識された。

 地域とアートを結び付け、アートを軸にまちの賑わいを生み出そうとして、アット・ポート準備会が現在進めているのが築地口から港橋広場公園までの江川線の緑道約500mを牛乳パックで作った5000匹の牛乳魚で結ぼうという「牛乳魚プロジェクト」である。
 牛乳パックは地域の住民の方にお願いし、西築地学区のコミュニティセンターの回収箱を設置し、集めるとともに、様々な機会を利用してワークショップによる制作をすすめている。3月24日には、住民ワークショップによって再整備された稲荷公園(ゆめランド)の3周年イベントでもワークショップの開催を予定している。
プロジェクトの実施は4月11日。学区の交通安全教室の開催にあわせ、地域の人々の協力によって5000匹の牛乳魚を並べることになっている。多くの住民の参加によってできた牛乳魚が、春風に吹かれてそよそよと泳ぐ風景がみられるはずだ。
 ガーデン埠頭で1999年から行われてきた空き倉庫を活用したアートポートが、本格利用するには多額の改修費がかかるという理由で今年で中止されてしまったが、これまでの取り組みによって名古屋港がアートのまちとして注目されるようになってきたことを生かしていくためにも、地域住民とアーティストが一緒になってアートを軸にした港まちのにぎわいづくりと魅力づくりをすすめていくことが重要だろう。多くの人々の参加によってこのプロジェクトが実現し、次のステップにつながることを期待したい。

アートスペースKIGUTSU(@port02)

旧防潮壁に映し出された映像(@port02)

アーティストと住民がまちを一緒に歩き討論
(@port02)

港橋広場公園に出現した湯おけ
これが牛乳魚だ

風で自由に動く

ワークショップによる牛乳魚の制作

子どもにでもできる簡単な作業

ワークショップの会場(空き店舗活用)

牛乳魚が並ぶイメージ

(2004.3.6/石田富男)