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多治見市の中心市街地のまちづくり 

はじめに

 多治見は陶磁器産地として知られていますが、郊外に大規模な団地を有しており、人口は10万人を超える住宅都市となっています。名古屋市からの移転も多く、高度成長期に人口が急増し、現在も増加を続けていますが、中心市街地については、他の多くの地方都市と同様、人口が急減し、空洞化が進行しています。

 
ぎんざ商店街

ながせ商店街のおりべかっぱ広場/「かっぱ市」開催

中心市街地活性化計画

 こうした中で、全国で80番目の中心市街地活性化基本計画が平成11年3月に策定されました。
中心市街地活性化推進室ホームページに掲載されている計画の概要

 中心市街地の範囲は、JR中央線多治見駅北(区画整理地区)、駅前地区及び土岐川を挟んだ商業地域(5商店街を含む地域)の約142haとされています。
ここでは、
 1)暮らしやすい環境をつくる−居住環境計画−
 2)集客機能の充実−商業と観光の活性化計画−
 3)美濃焼文化を活かす−個性化計画−
 4)人にやさしい、交通環境をつくる−交通計画−
の4つを基本方針しとし、様々な取り組みが展開されています。



駅前にある陶磁器のオブジェ
多治見駅前の様子

多治見駅北土地区画整理事業

 その1つが駅北の区画整理事業で、機関区跡地を種地に駅前広場の整備など「顔」としての拠点づくりと宅地の再整備が進められています。ここでは、仮換地の指定にむけて「お試しまちづくりワークショップ」と題して、模型をつかいながら、土地利用の意向にあわせた換地を行うことが検討されています。現地事務所にその模型が置かれており、検討の経緯がわかるようになっています。


模型

駅北地区・機関区跡地

オリベストリート

 また、美濃焼文化を活かすとりくみとして、平成8年度よりオリベストリート事業が行われており、中心市街地では本町周辺地区において「はなやぎ」のまちづくりが進められています。平成11年3月には第3セクター(株)華柳が設立され、駐車場とワインバーの経営が行われています。
地区内には、地域振興整備公団による都市型産業基盤施設「たじみ創造館」が完成し、ギャラリー及び工房や新しいライフスタイル提案型のテナントなどがオープンしています。
街路の整備や緑化が行われるとともに、古い建物や蔵を活用した民間の飲食店やギャラリー、アンテークショップなどもオープンしており、「ちょっときどりたくなる来街者」をイメージしたまちづくりが進められています。駅からはやや離れたところに位置していますが、訪れたくなる雰囲気を有しています。

多治見市ホームページによるオリベストリートの紹介


たじみ創造館

オリベストリート
ワインバーはなやぎの看板

蔵を利用したワインバーはなやぎ

ワインバーはなやぎの内部

陶磁器ギャラリー

おわりに

 多治見市では住宅マスタープランの中でも中心市街地における住環境の再生を重点課題としてとりあげており、中心市街地の活性化をささえる定住人口の増加策が検討されています。事業の具体化にはまだ時間がかかりそうですが、中心市街地の居住支援が活性化につながることを証明してくれることを期待したいと思います。  

  • このレポートは建築学会東海支部都市計画委員会住宅部会での報告(2000.12.22)及び現地視察(2001.3.10)をもとにまとめました。住宅部会では「中心市街地の住宅施策を考える」をテーマに活動しており、ホームページで報告しています。 http://www.interq.or.jp/chubu/jutaku/

(2001.6.1/石田富男)