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地区計画
 名古屋市では、東部地区を中心に20地区で地区計画が決定されている。策定のタイプとしては以下の6タイプに分けられる。

1)既成市街地における良好な市街地の保全山中地区

2)区画整理等の開発地区における良好な住環境の形成−大清水、武路、高針原、諸ノ木北部、神ノ倉東部、滝ノ水、梅森坂西地区

3)商業市街地(商業業務機能)の誘導−末盛通、東山通、御器所、野並、原駅周辺

4)都市計画道路整備に伴う市街地の誘導−田代第一、田代第二

5)志段味ヒューマンサイエンスパークにおける研究開発施設の誘導−吉根、研究開発センター、穴ヶ洞地区

6)その他−笠寺駅西地区(大規模工場跡地)、千種台霞ヶ丘地区(大規模団地建替)

このほか、住宅地高度利用地区計画が2地区(千種台南、千種台北地区)、再開発地区計画が1地区(木場地区)で決定されている。


●山中地区(昭和区)

 マンション立地等による住環境の悪化を防止し、良好な住環境を保全するため、建物の高さや用途などをまちづくりのルールとして定めている。当初は住民の自主的な建築協定として、定めていたが、それをさらに地区計画として都市計画で定めることにより、地区全体の環境保全を図っている。名古屋市の地区計画第1号。

 山中地区は、名古屋市の東部丘陵地に位置しており、戸建住宅を中心とした良好な市街地を形成している地区である。しかし一方では、恵まれた地理的・交通条件等を背景にアパート・マンション建設が促進され、住環境の変化を招いていた。このような中で、マンション立地による日照、通風等の居住環境の悪化を危惧した住民の間で、1983(S58)年に建築協定が結ばれた。協定の内容としては、建築物の用途を専用住宅、医院併用住宅及び共同住宅に限定するとともに、10mの高さ制限と隣地から50cm以上の壁面後退を定めていた。

 建築協定は普通の約束とは異なり、名古屋市長に届け、認可を受けることによって、合意した当事者間はもとより、土地や家を買ったりして、後からその地区に入ってきた人もその約束を守らなければならないのが特色といえる。しかし、建築協定では、協定に参加した土地については、効力がおよぶが、協定に参加していない土地については効力がなく、協定区域外でマンションが立地することを防ぐことはできないとういう問題点があった。そこで、地区計画を定めることにより、地区全体の環境保全を図ることが提起され、1985(S60)年10月1日に地区計画として決定されました。地区計画では、地区を幹線道路沿道の沿道地区とその背後の低層住宅地区に区分し、地区の特徴を踏まえたルールを定めている。

●建築物に対する規制の概要

 

低層住宅地区

沿道地区

用途地域

第2種住居専用地域

近隣商業地域

建築物等の用途

50u以上の事務所・店舗の禁止

パチンコ店や50u以上の工場等の禁止

敷地面積

180u以上

建物の高さの最高

12m

20m

壁面の位置

道路境界線から1m以上

隣地境界線から50cm以上

かき又はさく

ブロック塀・石塀等の高さは60cm以下

*地区計画の特色

 地区計画は公聴会・説明会、案の縦覧、意見書の提出等により、地区において利害関係者の意向を充分聴取した上で、市町村の都市計画として定められるもの。地区内における開発・建築・土地利用の変更に際して、届出が義務づけられ、地区計画に違反したものについては勧告を行うことができる。


(1998.12.17/石田 富男)