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新「地域」ブランド戦略 −合併後の市町村の取組み−/関 満博・日本都市センター編

日経広告研究所/2007.10

 平成の大合併によって多くの市町村が合併を経験し、自立的な経営が求められている。しかし、合併そのものに多くのエネルギーが費やされ、合併後の地域振興策や地域ブランドづくりに関する検討が後回しになるケースが多い。言いにくいことだが、最近訪問した都市の中でも、合併によって地域バランスを重視するため、旧町村の個性が失われているという例があった。
  一方、商標法の一部改正により2006年4月から「地域団体商標制度」がスタートし、全国各地で行われている地域ブランドへの取組みに追い風となった。この1年半の間に、既に770件余りが特許庁に出願されている(2007年11月末現在)ことは、地域ブランドに対する各地の期待とも見て取れる。
  本書では、合併市町村における地域ブランドづくりというテーマで、検討が行われている。後半には各界の専門家による具体的なアドバイスがある。身近なところから地域資源を発掘・再確認、地に足の着いた地道な活動、企業マーケティング手法の自治体経営への活用など、平成の大合併を経験していない市町村にとっても参考になる。
  また、具体例として7都市の事例を挙げ、我々の身近な例として、岐阜県多治見市の酒と陶磁器を使った取組みが紹介されており、大変興味深い。

(2007.12.25/浅野 健)