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吉祥寺スタイル 楽しい街の50の秘密/三浦 展+渡 和由研究室 著

文藝春秋/2007年4月25日発行

 吉祥寺は東京の中でも特に人気の高い街のひとつで、若者や新婚夫婦だけでなく高齢者にも支持され続けているという。「下流社会」の著者である三浦氏が、住み続けている吉祥寺のよさを印象論ではなく、都市構造や建築物の特徴も含めて理論的に解き明かすために筑波大学の渡研究室と共同で研究を行った、その結果が本著である。吉祥寺が楽しい街である理由として50個のキーワードがあげられている。都市の専門家ではなく誰でも読めるようにと、写真やイラストが多く使われ、各キーワードが2または4ページでユーモアな文章によって説明されている。
 各キーワードのいくつかが独特の面白い造語になっているのも本著の特徴である。例えば、最初のキーワードは「歩安感(ほあんかん)」で、安心して楽しく歩けることが街の基本であるということを表す造語である。その説明は、道路と街路の違いから始まり、吉祥寺には半径400mに雑貨屋や喫茶店などの歩きたくなる要素、その先の半径800mには玉川上水や動物園など行ってみたくなる要素があることなどという理論的な内容が、分かりやすい文章で書かれている。なお、このキーワードの最後は「歩安感があれば保安官はいらないのである」という文章で締められている。このような造語は「ショー店街(しょうてんがい)」、「景食(けいしょく)」、「街食(がいしょく)」、「披露場(ひろば)」、「木づかい(きづかい)」など他にも出てくる。まちづくりに詳しいかどうかに関係なく、誰でも気軽に読むことのできる本であり、ぜひ読んでいただきたい。

(2007.5.28/山崎 崇)