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 福井探訪−福井駅西口中央地区市街地再開発事業等視察−

  福井駅西口で完成した再開発ビル視察の機会があり、これまで、北陸金沢への通過地点だった福井を初めて訪問した。
 福井市は人口266千人で、2015年3月に金沢まで開業した北陸新幹線の2022年金沢〜敦賀間延伸、開業を前に、金沢〜福井間先行開業の予定があり、地元は新幹線開業を心待ちにしている。また、大人も楽しめる県立恐竜博物館も人気で、何かと話題の多いまちでもある。JR福井駅前には、リアルな恐竜の展示、駅舎壁面には恐竜マッピングなど、恐竜のまち福井をうちだしている。
 そんな福井のJR福井駅西口に面して施行された今回の再開発事業は、駅前広場整備を伴う土地区画整理事業との同時施行で、中心部の大型店撤退による中心市街地空洞化に危機感を抱いた地元の想いが発端でスタートし、紆余曲折がありながらも約14年の歳月を経て実を結んだ。
 再開発ビルの用途は、地下駐車場、店舗(グルメ、物販SHOP、県内各地の特産品が揃う物産館等)、公益施設、分譲住宅で、中でも公益施設には図書館、能舞台を備える多目的ホール、国内初リアル8Kドームシアターを備える自然史博物館があり、充実した施設計画となっている。
 当日は、市の担当者の方からの説明があり、福井市のまちづくりについては、市内を走る軌道(福井鉄道福武線)を活用したコンパクトシティの取組みやその一環で駅前整備にあわせ軌道駅や路線バス停留所の移設なども行い、鉄道駅とのアクセスを改善し、利便性を高めてきた点、再開発事業については核施設がシティホテル、NHK放送局に変更を余儀なくされながら、最終的には公益施設と広場でまとまり、その結果、市民に親しまれておりよかったことなど、長年事業に携ってこられた担当者としてのご苦労も伺え、自身の経験とも重なり印象深かった。
 再開発ビルの特徴の1つに、駅前広場に面する敷地内に風雪を避けるガラス屋根付きの多目的スペースがあり、広く開放し利用を促し、高い利用率で賑わい創出につながっているという。その利用例は、各種イベント、展示・発表会、結婚式など、幅広い。同じ北陸、富山市の中心部でも同様に屋根を架けた再開発ビルがあるが、こちらも活発な活用により中心市街地活性化へ貢献していると聞くが、天候不順による影響をクリアにしたハード整備と利用者要望を受け、柔軟に対応してきた運用が功を奏している。 当日は、台風が接近中で鉄道の運行状況を気にしながらの行程で、関係者お薦めの8K映像のシアターや舞台稽古中だった能舞台を備えた多目的ホールなど、その他の特徴施設はどちらも視察できずに終わったが、それでも事業概要等の説明や駅周辺整備視察等、充実した内容となった。今後は、新幹線開業を控え整備途中の駅周辺整備状況に注目しながら改めて通過地点から訪問地の一つに加えたい。

福井駅西口中央地区市街地再開発事業「Happiring」公式HP
http://www.happiring.com/

(2016.11.7/村井亮治)