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大阪探訪―名古屋Qの会関西地区事例視察会−

 再開発担当者が参画する再開発コーディネーター協会名古屋Qの会の例会の一環で関西Qの会との交流を目的とした視察会があり、関西Qの会の案内で関西地区開発事例数か所を訪問した。

a)グンゼタウンセンターつかしん
 大阪郊外にあるショッピングセンターで肌着で有名なグンゼの工事跡地の開発。大型店立地で競争が進む中で環境や地域密着、新しい生活提案などをコンセプトに“ライフスタイルセンター”として展開してきた。広大な敷地内に200からなる物販・飲食店舗、食品スーパー、スポーツクラブ等がある。食品スーパーは2店舗(一般的な?スーパーと生協)がやや距離をおいて入店しその間を対面販売による市場的な雰囲気の食材店が並ぶ。客層の棲み分けができているというが、通常ではみかけないテナント構成で興味深い。単なる買い物空間としてではなく、小川や噴水などの親水空間も整備されている。

b)茶屋町西地区第一種市街地再開発事業
 阪急梅田駅近くにある再開発ビル。再開発ビルの敷地の一角に権利者の独立資産が分筆され建設されている。権利者の合意形成上の対応で一団地認定を活用するなどして完成にこぎつけたとのこと。建物は特殊なカーテンウォールによるファサードで地域のランドマークとなっている。建物1階部分に敷地を貫く歩行者用通路“コリドール”が設けられ回遊性を高めている。

c)なんばパークス
 第2期事業が今年4月に開業しグランドオープンを迎えた。2期事業の特徴は、1期事業で不足していた機能、魅力を補完し時間消費型の施設づくり、回遊動線の強化が図られている。全体で約240店舗ある大型専門店のフロアは8の字状になっていて一筆書きの動線で全ての店舗をみて回ることができる。従前からあった場外馬券売場を継続営業させるため段階的な開発手法を採用したこと、豊かな緑を有する屋上庭園の管理の難しさなどの説明がなされた。

 移動の途中で、新しい駅ビルの建設工事が進む大阪駅に立ち寄った。案内されたのは駅南の大丸梅田店レストランフロアの展望スペースで眼下に駅ビルの建設現場、さらに北側には今後開発が予定されている梅田北ヤードが望め、フロアには新駅ビルの計画がVTRで紹介されていた。業界の者には好都合な視察場所といえる。新駅ビルは、百貨店(三越)、オフィス、シネコン等からなる機能集積型で2011年の完成をめざし工事が進められている。

 視察会の最後は、法善寺横丁界隈にある大阪名物串かつ屋で参加者の交流会となった。この店で串かつを食べる際のルール、“ソースの入った壺に串を浸けるのは1度だけ 二度づけ禁止”をまず教えられ自慢の味を堪能。関西人の食への拘りが感じられた店だった。視察先の話題や名古屋の状況など情報交換で盛り上がった交流会も帰路の時間もあり閉会となり、次回名古屋での再会を約束して解散した。帰りの新幹線では偶然にもデビューしたての新型「N700系」に乗れるとあり乗車。真新しい香り漂う車内はやや広く感じた。最高速度や揺れ具合はきっと向上しているのだろうが、アルコールが残っていたので全く分からなかったのが残念。

 

 

 

  (2007.10.12/村井 亮治)