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彦根市における中心市街地活性化の取組み
愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の視察交流会(2003.4.11)〜

 愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の視察交流会に参加し、彦根市の中心市街地活性化に関する事業をいくつか視察した。なお、当日の天気は雨であった。

 彦根市の観光ルートの定番は、国宝彦根城とその周辺の社寺を回るものである。最近では、彦根城を観た後に夢京橋キャッスルロードを訪れるという観光ルートが確立されているそうだ。夢京橋キャッスルロードは彦根城の南部に位置する京橋から城下町方向に350m続く都市計画道路の拡幅・整備に関する事業である。昭和61年から12年間住民と行政が協働し、伝統的なまちなみの再生を行ったことにより、彦根城観光客の市街地への誘引や市街地の活性化に成功している。住民と行政の協議の結果である建築物の制限に関する条例や修景基準が定められ、江戸時代の町屋風の建物が並び、お土産屋や飲食店以外にもディスプレイにウェディングドレスが飾ってあるお店など、歩いているだけで楽しい空間である。事業の原点が都市計画道路の拡幅であるため仕方がないことかもしれないが、幅員16mの道路が両側の町並みを分断してしまっているように感じた。

 次に、中心市街地にあるその他の商店街の取組みを見て回った。まずは四番町スクエアである。この商店街は夢京橋キャッスルロードと隣接していて、彦根城から夢京橋キャッスルロードへと流れてきた観光客を呼び込むため、「大正ロマンあふれるまち」をテーマにしたまちづくりを組合施行の区画整理事業の方式を用いて行っている。平成17年度完成予定のため、工事完了した建物は地区の3分の1ほどであるが、店舗のゾーニング、パティオ、路地の計画的な配置などの工夫が見られ、完成が楽しみである。

 他の商店街でもそれぞれがファサード整備事業などのハード事業、商品を100円で提供するナイトバザールを月に1度行うソフト事業など様々な取り組みをしているので、商店街の取組みを比較しながら歩いているだけでもとても面白い。視察したどの事業も、住民の方々の努力がまちに表れていることを感じることができた。四番町スクエアの完成後、天気の良い日にまた訪れてみたいと思う。


夢京橋キャッスルロード

ウェディングドレスの飾ってあるお店

四番町スクエア

おいでやす商店街のファサード整備事業
(左下は商店街キャラクター彦助

   (2003.4.18/山崎 崇)